第十五話「やっと言えた」


「未来…なぜ泣いているのだ?」

しばらく未来を抱きしめていたぬらりが

優しく聞いた。

「だってぬらりが

こんなに想っててくれたなんて…」

日記の内容が嬉しくて切なくて

未来はぬらりの腕の中で

目をこすった。

「ずっと言えなかったから

日記に書くしかなかった。

気持ちを殺さないといけず

…辛かった」

「私も…」

ぬらりは腕を解き

じっと未来を見つめる。

「その分、沢山言わせてくれ。

好きだ、と。

愛している、と」

「私もぬらりが好き。

愛してる」

自然と交わしたキスは

互いを確かめ合うように

長く甘くなった。

「日記、見ちゃってごめんなさい」

「君なら問題ない。

むしろ私の気持ちを分かってもらえて

嬉しい」

謝った未来に

ぬらりはとても優しかった。



to be continued







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