第十四話「日記」


その日は日曜日だった。

ぬらりは用事がありでかけていて

未来は部屋の隅々まで

掃除をしていた。

(あれ?これって…)

寝室で見つけたのは

ぬらりの日記だった。

(そういえば毎日つけてるな〜。

どんなこと、書いてあるんだろ?)

欲求と戦った未来だったが

(やっぱり気になる!)

日記を開いてしまった。

日記の最初は

エンマ大王のことばかりが

書かれてあった。

(ぬらりらしいな…)

しかし未来が妖魔界にやって来た日を

未来は見つけた。

『今日、大王様の婚約者をお呼びした。

未来様

とても美しいお方で

大王様とお似合いだ』

綺麗な字でそう書かれていた。

(ぬらり…)

その後も未来の名前は出続けた。

『大王様と未来様も

ずいぶん親しくなった。

私も嬉しい』

『未来様は人間界が恋しくないだろうか?』

『未来様は大王様のものだ』

そして日付は、あの約束の日の前日になった。

『明日、大王様と未来様の結婚が決まる。

心から祝福せねばならない。

しかし…ここに書くだけにするが

私も未来様に恋をしてしまった。

きちんと私情を捨てなければ』

「…コラ」

未来が日記を読むのに夢中になっていると

ぬらりが帰ってきていた。

しかし日記を読まれたことは

気にしていない様子だった。

「ぬらり…!」

未来は泣きながら

ぬらりに抱きついた。

当時のぬらりの気持ちが分かり

涙が止まらなかった。



to be continued







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