第二話「初仕事」


妖怪になった未来は

癒しの術が使えるようになった。

そこでエンマ大王の屋敷の

医務室で働くことにした。

「昔はお医者様が常にいたのですが

今はいないのですよ」

春日がそう説明しながら

医務室へ未来を案内した。

「おひとりで寂しい時は

遊びに来てくださいね」

「うん!

春日達が忙しい時は手伝いに行くよ!

でもとりあえず掃除かな?」

医務室はほこりだらけだった。


「もう少しかな?」

未来の掃除が終わろうとしていたら

「よ!未来」

「掃除か?」

エンマ大王とぬらりが様子を見に来た。

「あ!そうなんです。

掃除で一日終わっちゃいました」

時刻はもう夕方だった。

「今まで医者を呼んでたが

未来がいるなら安心だ」

「未来に診てもらうなら

毎日怪我してもいいな」

「大王様、それは困ります」

三人はそう笑いあっていると

春日がやって来た。

「すみません、未来様。

やけどをしてしまい…」

春日はそう言いながら

未来に左手を見せた。

「大変!でもどうすれば…」

「念じるだけでいい。

未来、春日の手に自分の手をかざせ」

「はい!」

エンマ大王に言われたまま

未来は傷に手をかざした。

するとすぐにやけどの腫れは消えた。

「治りました!

もう痛くありません!」

「本当?!よかった…」

未来は嬉しくて仕方がなかったが

ぬらりはそれを見て

何かを考え込んでいた。


to be continued







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