第二十話「たまには」


「未来」

ぬらりは厨房で夕ご飯の支度をしている

未来を訪ねた。

「ぬらり?珍しいね。

ここまで来るの…」

「迷惑だったか?」

「全然!

むしろ嬉しい」

未来は笑顔で答える。

「よかった。

差し入れを持ってきたのだ。

君が好きな茶屋の団子だ」

「いいの?」

未来は遠慮がちに受け取った。

「ああ。

春日達と食べてくれ」

にこりとぬらりは

未来にしか見せない笑顔になった。

そして

「…未来」

「え?」

未来の額にキスをした。

「ぬ、ぬらり!

誰かが来たら…」

「唇ではないから

問題ないだろう?」

「そういうことじゃなくて!」

未来の顔は真っ赤だ。

「たまにはこういうのも

いいかと思うが?」

くすくすとぬらりは

笑うだけだった。



to be continued







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