第十三話


「消えちゃった…」

「そんなどうしよう」

ケータと未来は慌てたが

イナホは考えていた。

「んー…ほ!わかりました!

正確には別の次元との交流が断たれて

見えなくなってしまったということでしょうね。

同じ場所にいて

ほかのレイヤーにいるという感じで

多次元世界構造ってやつですね」

「えっと…」

「あの、わかるように言ってくれないかな」

イナホの持論に二人はついていけなかった。

「じゃあ、こうしましょ。

宇宙的な不思議な力で見えなくなっちゃった!」

万歳をしてイナホは叫んだ。

「やっぱ馬鹿にしているよね」

「してませんよー」

「うん。ケータくん、それは考えすぎだよ」

未来もフォローしたが

ケータは膝を抱えていじけてしまった。

「ケータくん、そんなことより…」

「そんなことより?!」

「そうですよ!今は妖魔界に行かないと!」

未来とイナホはケータを無理矢理立たせた。

「でも、どうやって…」

「ん?あれは?!」

未来が空から何かが降りてくるのを見つけた。

「おお!なんすかこれ?」

それは空飛ぶ絨毯というのがピッタリで

真ん中に「王」の文字が書かれていた。

そして乗れ!と言わんばかりに

絨毯の端が動いた。

「これなら、妖魔界に行けるかも!」

「きっとそうです!

ケータさん、乗りましょう!」

根拠もないのに、女二人ははしゃいだ。

「えー?」

そう言いながら三人は絨毯に乗った。

すると絨毯は、再び空を飛び始めた。

(待っていてね!コマさん!!)

未来は見えなくなった友達を想った。


to be continued







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