第十二話


「ほー!もしかして

あなたが超有名妖怪バスターの

天野ケータさんですね?」

「え、有名なの?」

イナホが名前を知っていて

当然ケータは驚いた。

「そう言えば、私も聞いたことがあるよ」

「そうですよね!

人としてはいたって普通なのに

妖怪を仲間にすることだけは

そこだけは、その点だけは普通じゃないとか!

他がものすごーく普通すぎるだけに

何の変哲もないだけに

驚きなんだとか!すごすぎですー」

イナホは一気にそう言った。

「ひ、ひどい」

「未来さんはともかく

イナホさん、絶対馬鹿にしてますよね」

「してませんよー」

そう言ったイナホは手招きをしたが

ケータはショックを隠し切れなかった。

「ああ!ケータが薄いにゃん!」

その時、ジバニャンが叫んだ。

「なんだよ、ジバニャンまで!

どうせ俺は影が薄いよ!」

「そうじゃないにゃん

ほんとに薄くなってるにゃん!」

「え?あー!

ジバニャンが半透明に見える!!」

ジバニャンを見て、ケータも慌てた。

「本当だ!コマさんも透けて見える」

「未来も幽霊みたいズラ」

自分では分からないが

お互いに透けて見えるらしい。

「まずい、お互いが見えなくなり始めている。

おそらく人間と妖怪のつながりを断ち切る

『妨害電波』のようなものが

妖魔界から出されているんだ」

フユニャンがあたりを見回しながら焦る。

「ぬらりひょん議長とやらは

人間と妖怪の関係を完全に断つつもりなのね」

未来も

薄くなったフユニャンを見てつぶやいた。

そして更に薄くなっていく…。

「ジバニャン!」

「USAピョン!」

「コマさん!」

三人は自分の友達妖怪の名を呼んだが

遂に完全に見えなくなってしまった。


to be continued







素材はデコヤ様のものを加工しております。