第四話


「弟ズラ?弟ズラ?」

信じられないという顔で

コマさんは確かめるように聞いた。

「ああ、名前はコマ三郎ズラ」

「コマ三郎?!」

お母ちゃんは嬉しそうに報告したが

二人は完璧に戸惑っているなと未来は思った。

「コマ三郎…」

コマさんが名前を呼んだのに

応えるようなタイミングで

お母ちゃんの背後から赤ちゃんの泣き声がした。

そこにはゆりかごに入った

おむつだけしている赤ちゃんがいた。

「この子がコマ三郎?!」

二人と母親のやり取りを見守っていた未来が

赤ちゃんに駆け寄った。

「「もんげー」」

なんとコマ三郎は

どう見ても人間の赤ちゃんだった。

「もんげーかわいいズラよね。

でもずっとご機嫌斜めズラ」

お母ちゃんは困ったように

コマ三郎をかごごと抱いた。

「ってうよりお母ちゃん、この子人間ズラ」

コマ次郎がもっともな事実を言う。

コマさんと未来は

泣いているコマ三郎をあやした。

「人間?そんなはずないズラ。

こんなにかわいいんズラから」

お母ちゃんの顔がほころんだ。

「ああ、未来は人間だけとかわいいズラよ?」

「あ、ありがとうございます」

お母ちゃんに突然見つめられて

未来は慌てた。

「一体、どこから来たんズラ」

一番しっかり者のコマ三郎が聞いた。

「んー」

お母ちゃんは説明を始めた。

ある夜、光が部屋にさして見てみると

少年のようなシルエットな人が立っていて

コマ三郎を置いていったと言うのだ。

「そんな…誘拐みたいじゃん」

未来はコマ三郎の両親のことを思い

胸が痛んだ。

「そんなことないズラ!

きっと神様からの授かりものズラ」

嬉しそうに話すお母ちゃんは

とても幸せそうだった。

「でもどう見てもこの子は人間ズラよ?」

「そうなんズラか?」

「きっと本当のお母ちゃん

心配しているズラね」

その場にいたお母ちゃん以外は

コマ三郎のことを気にかけていたが

「ん?んー」

お母ちゃんはとぼけた顔をした。

本当は人間ということを

認めたくないのだろう。

「あ!コマ三郎は?」

すると突然コマ三郎の姿がなくなった。

三人は急いでコマ三郎を探した


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