第二話


やってきたのはさくら町の駅。

「こうズラね」

コマさんがICカード読み取り機に

なにかお札のようなものをかざすと

景色が一転し、人も見えなくなった。

「え?これは一体…?」

当然、未来は困惑する。

「心配ないズラ!妖魔界に変わっただけズラ」

「ここから列車に乗れば

あっという間にお母ちゃんの家につくズラ!」

二人はうきうきと説明した。



「えっと、これに乗るの?!」

鬼のような列車の先を見て、未来は困った。

「大丈夫ズラ!食べたりしないズラから」

「そりゃそうだけど…」

「いいから、乗るズラ」

二人に手を引かれて

未来は列車に乗り込んだ。

すると列車はなんと空を飛び

猛スピードで走り始めた。

「銀○鉄道999みたいだね」

「なんズラ、それ?」

「いや、なんでもないよ」

未来は慌てて首を振った。

「心配ズラー心配ズラー」

コマさんはさっきから

そのセリフを繰り返していた。

「兄ちゃん、落ち着くズラ」

「そうだよ。

手紙を書けるくらいだから大丈夫だよ」

列車はコマさん達の故郷へ走って行った。


コマさんの言う通り

列車はすぐに目的地に着いた。

「ここが二人の故郷なんだね。

素敵なところ…」

コマさんとコマ次郎らしい里だと

未来は思った。

「さあ、早くお母ちゃんのところへ行くズラ!」

コマさんにせかされて、三人は

急いでコマさん達の実家へ向かった。


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