番外編「触れる」
「ねえ、ぬらり…」
「なんだ?」
二人の部屋で二人はくつろいでいて
未来はぬらりの名前を呼んだ。
そして問いかけには答えずに
ぬらりの頬を優しく触れる。
「奇跡だね」
「奇跡?」
ぬらりは意味が分からなかった。
「だって私、人間だったんだよ。
ここに呼ばれなければ
ぬらりにこうやって触れられなかった」
「…そうだな」
やっと未来の気持ちが分かったぬらりは
微笑んだ。
そしていきなりキスをした。
「ぬらり?」
今度は未来が混乱した。
何度もぬらりとはキスをしているが
まだ慣れない、照れてしまう。
「こういうのも、できなかったな」
「うん」
笑いあった二人はもう一度キスをした。
未来は人間界にいたときより
ぬらりは未来と出会う前より
ずっとずっと幸せだった。
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