出会いそして始まり3



それは人間界に来る前の話し…


「綱吉くん後二日だそうですね。」

資料室でガサゴソと探し物をしている綱吉に骸はドアにもたれ掛かって見てた。

「うん…そうなんだけど儀式とはいえ人の命を奪う事なんて…」
「出来ないですか?全く、死神世界の頂点に立つ人物の言う台詞ですか?」

呆れた様に言う骸に資料から顔を上げ綱吉はムッとして、別に頂点になるつもりは無いから!と言い資料に目を戻す。

「そうですか。で、さっきから何しているんですか?」

何時もの事なので綱吉の話しを流し、逆に問い掛ける。

「ちょっと調べ物を…。」
「それは見たら分かりますよ。僕を馬鹿にしているんですか?」
「何でそうなんだよ!俺はただ聞かれた事を返しただけだろ…あった!」

ある一冊の古い本を両手で持って喜ぶ綱吉を骸は不思議そうな顔をして見ていた。

「何ですかその本は?」
「あっ、まだ居たんだ骸。」
「さっきまで思いっきり話してたでしょう!」

さっきまで笑顔だった綱吉の顔はあははと苦笑いに変わる。骸はその反応にイラッとして言い返すとそうだったね…。と素っ気なく返しながら本を開く。

その本の題名は汚れていて辛うじて読めるぐらいだった。

「地神…ですか?」
「そう。小さい頃良く聞かされた絵本だよ。こんなふうになったらダメだよって。」
「僕はその話聞いた事無いですね。」

えっ!とビックリした声を出す綱吉に悪いですか?と問い掛ける。

「いゃ、悪くは無いけど…結構有名な話しだからてっきり知ってると思った。」
「話して下さいよその話し。」
「いいよ。」

そして綱吉は話し始めた。

その話しは雲雀一族に死神が囚われる話し。

雲雀家は霊力が強く、手に触れる霊の霊力を奪うと言う特別の力を持っていた。

そんなことを知らない昔の死神はある日、雲雀家の人の命を狩りに行った。

雲雀一族の一つの魂は取れたが一人の少年に触れられてしまった。

そして、その死神は人間界で暮らすしかなくなり、雲雀家を今でも守っていると言う話し…

あの時の俺には実際に起る事なんて無い物語


そう思っていた。










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