出会いそして始まり2
「え〜と、俺は…死神です。」
嘘付くとは思えない人物からでた言葉。
僕は、クッと一度笑ってから、で…と言葉を繋げる。
「僕の命でも奪いに来たのかい?」
「ち、違います!俺は…人の命なんて奪えません。奪いたくなぃ…」
しぼんと耳が垂れ下がった犬状態になっている。
「君…名前は?」
「ツナ、綱吉です。」
綱吉と名乗る死神はニコリと雲雀に微笑む。
雲雀は熱でクラクラしている頭を手で押さえる。
「だ、大丈夫ですか!?」
頭を抱えたのが分かった綱吉は雲雀に近寄り不安そうに覗き込む。
「ッ…平気だよ。」
どうせ触れられないと思い伸ばした手が綱吉の髪の毛に触れる。
「えっ!」
綱吉はビックリした声だす。雲雀も違う意味でビックリした。初めて見た時もあのフワフワした髪の毛は柔らかそうだとは思ったが思った以上に柔らかかった。
(…柔らかい。)
(な、な何で触れれるの!?)
二人は沈黙した…
もしかして、特殊人物?
だとすると、
「雲雀家の人…?」
「…そうだよ、あの家からは出たけどね。」「やっぱり…て、事は…!」
鎌が縮みキーホルダーぐらいの大きさになっていた。
「ギャァア!!!」
綱吉は涙ぐみながら叫んだ。
「綱吉?」
「さ、触わった?」
は?と雲雀が不思議そうな声を出す。
綱吉は、今俺に触ったよね!?と身を乗り出し、目に涙を溜めて上目遣いに見上げられる。
「ああ、頭を触ったね。」
「あぁ〜〜」
へにゃりと地面にへたりこむ綱吉をギョッとしながら見ていると、ガバッ!と立ち上がる。
「鏡ありますか鏡!」
その言葉にベットの隣りにある棚を開け、ガサゴソと中を探り鏡を出した。
その鏡を綱吉に渡すと綱吉はその鏡を自分に向け、又もや地面に崩れ落ちた。
「さっきから何なのさ?」
「…霊力が…霊力が僅かにしか無いんです。だから鏡に映るんです!」
アレだけ骸に言われたのに!どうしよう〜〜と、小声でぶつぶつ言っている。
雲雀は意味が分からないらしく綱吉の話しを流そうとしていた。だが、骸と言う言葉が綱吉から出たのを聞き逃さなかった。
「ねぇ綱吉、さっき骸って言ったかい?」
「はい。もしかして此所の区域に居るんですか!?」
「此所は並盛だよ。あんな奴僕の区域に入ったら噛み殺してるよ。」
平然と怖い言葉をさらりと言った雲雀に綱吉はビクッ!っとして何か他に話しをずらそうとした時に此所に居る筈のない人物の気配と声が聞こえた。
「一度負けた癖に元気がいいですね。…綱吉君、あれ程教えたのに何でこうなってるんですか?」
雲雀に喧嘩を売りながら、綱吉に笑顔で叱る。だけどその笑顔にビクッ!と綱吉は目に涙を溜めた
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