任務



死にたいと何度願っただろう。

殺してくれと何度…何度……



「た…ちょ…総隊長!!」

部下達の呼ぶ声に俺はハッと我に帰りどうした?と部下達に聞く。
そうだったと今居る場所を思い出した。
此所は俺が認めた暗部と総隊長の俺、蒼藍が使う執務室だ。
蒼藍が返事を返した事で部下達はホッとした様な顔をすると疲れておられるなら休んで下さい。と一人の部下が俺に言う。

「大丈夫だ。」

ありがとう。と言うと顔を紅く染め、部下達は無理しないで下さいだの心配をしてくれる。
お節介。
世話焼き。
など部下の事を思いながら床に大量に積み上がった書類をガバッと上から机の上へと下ろす。
それを見た部下達は頑張って下さいとそそくさとそれぞれの席に着き、書類と格闘を始めた。

「終わった…」
「お疲れ様です。」

あれから二時間後。
積み上がっていた書類は全部見終わり背伸びをする。
すると暖かいココアを部下が出してきてありがとう。とカップを受け取りコクリと飲むと喉が潤うのが分かりホッと息を吐いた。

「じゃあ俺は他にやる事があるからお前らはもう休めよ。」ココアを飲み終え、カタンと椅子から立上がり、しっかり休めよともう一度念を押す様に言うとお疲れ様でしたと言う部下達に俺はドアを開けると軽く右手を上げてまた明日と言うとドア閉めた。

蒼藍が向った先は医療班の部屋。
俺はノックもしないでドアを開ける。

「長〜、遅いじゃないですか!」
「悪い。仕事が溜まっててな。」

長と呼ぶのは俺が医療班の長だからだ。
蒼藍は掛け持ちしている為、様々な呼び方がある。
暗部では総隊長。
医療班では長。
他にも守り神や女神なんて呼ぶ奴等もいるが俺はその呼び方が嫌いだ。
他の里では死に神や碧色の悪魔なんてのもあるらしい。

「この間の解剖終わりましたよ。」
「どうだった?」

この間のってのは俺が持ち帰った不思議な術を使った者の死体だ。

「これが報告書です。」

渡された報告書に目を通すと蒼藍は一部の文字に額に皺を寄せる。

「長、どうかしました?」
「いや、これありがとうな。」

じゃあと言い報告書を持ったまま瞬身を使い蒼藍はその場から消えた。





―――




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