「あ、あの…西園寺さん?」

「え?」



跡部の部活が終わるまで、ブラブラと校舎をブラついていると不意に声をかけられた


振り返ってみると、そこには長身の優しそうな男の子が


「えーっと…?」


だ、誰だっけかな?


私が思い出そうと頭を悩ませていると、その人はあはは、と困ったように頬を掻いた


「分からない…かな?隣のクラスの山下って言うんだけど…」

「ああ!」


思い出した、サッカー部の部長で女子にやたらと人気のある山下くんだよ

そんな山下くんが私に何の用だろう?


「どうかしたの?」

「うん…えっ、と今ちょっと話しても大丈夫かな?」

「?うん、いいよ」


山下くんはどこかソワソワしたように辺りを見回していた


「あのさ、いきなりで驚くかもなんだけど…その…お、俺と付き合ってください!」

「…………え?」




今、なんて…?




「実は俺、ずっと西園寺さんのこと…好きだったんだよね」


顔を真っ赤にした山下くんの様子が彼の言葉が嘘ではないことを物語っていた


「なっ、なんで?わわ私っ?」


つられて私も真っ赤になってしまう


そもそも山下くんとは面識もないし…


「…西園寺さんって、よく他人の手伝いしたりしてるよね」

「…え」

「俺、よくそういうとこ見かけててさ…西園寺さんは他の女子と違って自然体っていうか、偽りがないじゃん?…いつの間にかそんな西園寺さんのこと目で追うようになってたんだ」


照れながらも一生懸命私に想いを伝えてくれる山下くん


「だから、今すぐにとは言わないけど…俺のこと考えてほしい」


真っ直ぐに目を見て言われた私は何も言うことが出来なかった─…








「はぁ…」


どうしよう…

告白、だよね



実は告白なんてされたのは初めてだったりする



私はペタンとその場に座り込んでしまう



どうしよう…跡部…



The situation that cannot be predicted
(予測不能の事態)




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