不用心だった



単純にそう思う

跡部の女子からの人気はスゴいことは知ってたはずだ



だからこの状況は完全に私の不注意だわ



「アンタ跡部さまの何なの、か」


ある日、登校して靴箱を開けると差出人不明の手紙が入っていた


そこには私は跡部に不釣り合いだのどういう関係だの近付くなだの様々なことが書かれていた


私はその手紙を鞄にしまい教室へと向かった



その間にも何人かにすれ違い様に似たような言葉を言われた


机の中にも望んでもいないラブレターが数通

どれもこれも同じ内容



まあこんなことに動じるタイプじゃないからなんてことはないけど



近付きすぎたかな、とは思ったり



「これからは必要以上に近付くのは止めておこう」


私は小さな誓いを立て、手紙を全て鞄になおした







「斉藤さん」


その日はいつものように跡部とともに帰宅をしたが、私は帰宅後すぐに斉藤さんを探した


「どうかいたしましたか?」

「行き帰りのことなんですけど、跡部と別々にしてもらえませんか?」


そうお願いすると、斉藤さんは驚いたように目を見開いて理由を聞いてきた


「ちょっと理由は、聞かないでもらえますか?」


ごめんなさいと頭を下げると渋々といった様子で了承してくれた






翌朝、私は跡部より少し早く送ってもらった


跡部には日直だと言い訳をして


行きに関しては跡部は朝練で一緒に行かないことも多いんだけど、問題は帰りだよなぁ


「まぁなるようになるかな」



最近ようやく、ヤツとの距離が縮まってきたかな

なんて思ってたけど…



仕方ないよね



そうして私は跡部と距離を置くようになった


Our distance has begun to leave
(離れ始めた距離)




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