4/10(謙也)


謙也さんのエイプリルフール



「なぁ謙也?」

「ん?なんや白石」


不敵な笑みを浮かべた白石が謙也に歩み寄る


「今日なんの日や?」

「は?金ちゃんの誕生日やろ?」

「まあ、それはそれとして…もう1個あるやろ?」


白石の問いかけに首を捻る謙也


「エイプリルフールですよ」


しびれをきらしたように言ったのは、白石の後ろから現れた財前だった


「ああ、そんなんあったなぁ」


呑気にうんうん頷く謙也に白石と財前が迫る


「それでや、お前彼女に嘘で別れるって言いや」

「はぁっ!?」

「謙也さんいつも彼女が優位に立ってますやん。たまには焦る彼女の顔、見たくないですか?いつまでヘタレでおるつもりですか?」


謙也の背を押したのは財前のこの一言だった








「なによ?改まって話なんて」


早速彼女を体育館裏に呼び出した謙也



そして遠くで見守る白石と財前



「別れてほしいんや」



言ったで…言ったで!

これで脱ヘタレや!



「…ふーん、そう」

「…え、それだけか?」


予想とは異なる彼女の反応に謙也が狼狽えると


「わかった。謙也がそう言うんやったら…別れよう?」

「え、あの、ちょっ…」



あれよあれよと進む別れ話



「今までありがと…じゃあね」

「ちょっと待てー!!」


あっさりと謙也の前を立ち去ろうとする彼女の腕にすがりつく謙也


「う、嘘や!嘘やねん!エイプリルフールの嘘やねんんん!」

「へぇー」

「せやからっ…別れるとか言わんとってくれ…」


頭を垂らす謙也


「好きやねん…お前がめっちゃ好きやねん」

「……それは本音?」

「当たり前や!」

「ふふっ…私の方こそ嘘やで?謙也と別れるとか考えられへんもん」


謙也が叫ぶように言うと、彼女は謙也の頭をそっと撫でた


「っほんまか…?」

「ん」

「よかった…!」



謙也はばっと顔をあげ、彼女を強く抱き寄せた



そんな様子を見守っていた白石と財前



「やっぱり彼女が一枚上手やなぁ」

「謙也さんが脱ヘタレ出来るのはいつになるんでしょうかね」

「一生無理なんちゃう?」





二人の目線の先には仲睦まじく微笑み合う二人


彼らはこれでいいのかもしれない



なんて思いながら白石と財前はその場を後にした










────────
ごめん謙也!
まとまらなかった(´・ω・`)
謙也は頑張って彼女を騙そうとするも一枚上手な彼女の態度に狼狽えればいいと思う
そんな謙也を抱き締めたい(((

てなわけで!とりあえず4/10に向けてバタバタ書きました!


 

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