ポッキーゲーム強制執行(白石)

「なまえ、今日何の日か知ってるか?」


「もちろんだとも!!11月11日でポッキーの日やろ?」



せっかくのポッキーの日だというのに生憎日曜日で学校はお休み


みんなでポッキー&プリッツ祭りが出来ない代わりに私は蔵ノ介の家にお邪魔していた



蔵ノ介に今日は何の日か訊ねられ、私は拳を握りながらそう言って鞄の中からポッキーの箱をたくさん取り出した



「えらいよぉさん持ってきたな」



蔵ノ介は苦笑しながらもハシャグ私を優しく見つめてくれる



「うん!二人でポッキーパーティーしよ!」



私が意気揚々とポッキーを一箱手に取り箱を開けると蔵ノ介がこんな提案をしてきた



「なあ、せっかくやからポッキーゲームしよや」


「へ?…っ!?」



パクッと1本口にくわえたばかりの私が箱から顔をあげて蔵ノ介を見ると、やつはいつの間にか私との距離を縮めていてもう一端をパクリとくわえたではないか



「〜っ!」



私はいきなりの至近距離に驚いてポッキーをパキッと折ってしまった



「あーあ、なまえの負けやでー」


「そ、そんなの蔵ノ介がいきなりするからっ」



私は火照った顔をパタパタ手で仰ぎながら講義をしたが、その手をぎゅっと彼に握られてしまった



「あかんで?負けた方は罰ゲームや」


「ば、罰ゲーム…?」



嫌な言葉の響きに首をすぼめると、握られた手を軽く引かれて蔵ノ介との距離が縮められ、あっと思った時には唇に柔らかい感触がした



「んっ」


「…チョコの味するなぁ」



そっと唇が離れ、蔵ノ介は楽しそうにこんなことを言った



「い、いきなり…っ」



私は真っ赤に染まってしまった顔で不満を言おうとしたが、奴は次のポッキーを取り出していた



「ほら、次は折ったらあかんで?」



ニコッと微笑んでポッキーを口に含んだ蔵ノ介




くそう…




私は渋々、逆側をくわえて少しずつポッキーを食べ進めた



蔵ノ介もポリポリと順調に食べていて、徐々に私たちの距離が縮まる





…ん?ポッキーゲームってゴールとかあるの?どうしたらいいのこれ!?





互いの吐息がかかるほどに接近し、唇が触れそうな時にふとそんなことを考えたがそんな思考は一気に蔵ノ介の行動によって吹き飛ばされた



「っ、んっ!?」



ぐっと後頭部を押さえられ、ポッキーをくわえたまま再び唇を塞がれた


すぐに口を割られて残りのポッキーを蔵ノ介の舌によって拐われてしまう



「ん、うまいな」



すぐに唇は離れたが、モグモグと口を動かす蔵ノ介に私はもう何も言えなかった







ポッキーを折ってもキスをされる



ポッキーを折らなくてもキスをされる





…なんだこれは







「ほな、ここにあるポッキー全部使いきるまでやろか?」


「は!?」



にこやかに言ってのけた蔵ノ介だが、一体何本あると思っているのだ



「ポッキーの日に感謝やなぁ」



そんなことをぬかしながら、奴は私のポカンと開いた口にポッキーをくわえさせたのだった












2012*11*11<ポッキーの日!
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