WD〜白石の場合(白石)
「なまえ、ホワイトデーのお返しや」


そう言って白石はちゅっと私にキスをした


「なっ…!」


突然のことに私は真っ赤になってしまう


「なんや?真っ赤になってかわええな」


そのまま私を抱き寄せ、私の首元に顔を埋めてきた


「し、しししし白石っ!?」


白石の部屋に入った途端に過度なスキンシップを求めてきた白石に戸惑う私



え…なになに!?

いや、白石が変態なのは知ってるけど…!



「…アカンのん?」

「ぅぐ…」


しょぼんと悲しそうに見つめられ、私は言葉に詰まってしまった


「アカン…ことは無いけど…ちょっと落ち着こう!?」



一先ず白石を引き剥がし、一緒に床に腰掛けた



「元々ホワイトデーのお返し渡したいからって呼んだんやんな?」

「せやで?もう渡したやろ?」


ニコニコと満面の笑みで言い放つ白石




…え、マジでちゅーがお返しなん!?




「…帰る」

「わー待て!嘘や嘘!ちゃんと用意しとるっ!」


私が腰をあげようとすると慌てたように白石は引き出しから包みを取り出した


「開けてみ?」

「ん…」



全く、最初からそうしてくれたらええのに…

ブツブツ言いながら私はキレイな包装紙を剥がした



「わ…かわいい…」


そこには、薄いピンクの写真たてと、同じデザインのアルバムが入っていた


「気に入ってもらえたか?」


白石が包帯を巻いた手で頬杖をつきながら私の様子をにこやかに窺ってくる


「…うん、めっちゃ嬉しい」

「そこに俺との思い出、いっぱい刻んでいこうな」

「…うんっ!」



白石の言葉が嬉しくて嬉しくて、私は自分から白石に抱きつき、そっと唇を重ねた



「っ!」


唇を離すとそこには驚いた白石の顔


「…なまえからキスしてくれるなんて、めっちゃ嬉しいわ…」


そのまま優しく抱き締め返される



「白石…?」

「ん?」

「だいすき」

「っ…俺も、めっちゃすきや」



白石の腕の中で見上げると優しく私を見つめる視線とぶつかり合う



「なぁ、もう一回…してくれへん?」

「…恥ずかしいから無理」

「なんでやねん…!頼むわ!」

「…白石がっつきすぎ」



ちゅっと音を立ててもう一度私からキスをすると、後頭部を押さえつけられ再び唇を塞がれた


「んっ…白石…」





そのまま激しさを増すキスに酔いしれながら、私は彼に身を任せた─












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WD白石!
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