こたつ(金ちゃん)
「なまえ!みかん美味しいなぁ!」

「せやね、やっぱりこたつにはみかんやなぁ」


我が家のこたつでまったり向かい合ってみかんを食べる私と金ちゃん


「もう1個食べてもええか?」


金ちゃんはもう何個目になるか分からないみかんに手をのばす


「あんまり食べたら手のひらとか足の裏黄色くなるで?」

「え!ほ…ほんまか!?」

「せやでぇ〜真っ黄色になんでぇ〜」

「い、いやや!そんなんいややー!もう食べんのやめるー!」


私が悪い笑みで言うと金ちゃんは慌ててみかんから手を離してこたつに突っ込んだ

かわいい…

おっと、素直な反応に思わずきゅんとしてしまった











その後も二人でテレビを見たりテニス部の話をしたりして過ごした


するとだんだん金ちゃんの口数が少なくなってきた


「なまえー…こたつがぬくぬくでワイ眠たくなってきたわ…」

「こたつで寝たら風邪引くで?」

「んー…眠いー…」

猫みたいに目をくしくししながらうつらうつらしていた金ちゃんだが、何かいいことを思い付いたのかぱっと顔を輝かせた

「そうや!なまえ、添い寝してぇな!そしたら暖かくて風邪も引かへんでー!」

「えー?まあそれやったら大丈夫やと思うけどぉ…」

「よっしゃ!決まりや!今からそっち行くなー」

「え?金ちゃん…?…っ!?」


一緒に寝たいと言いだした金ちゃんはあろうことかもぞもぞとこたつに潜り込んだ


「ひゃっ!ちょ、金ちゃ…どこ触って…」


金ちゃんはペタペタと探るように足やお尻を触ってきた


「真っ暗で見えへんのやーなまえ…真ん中におったら出られへん〜」

「ちょっと…くすぐった…」


もぞもぞと出口を探す金ちゃんの髪が足に触れ、私は思わず後退りしてしまった


「ぷはっ!やっと出られたわー!」

「きゃあ!どこから出てきて…」


私が後退りしたことにより出来た隙間…つまり私の足の間から金ちゃんが顔を出した


「こたつ潜ったから暑いわー…」

「そりゃあ…そうやろ……ってゆーか金ちゃん近い…」

「なんや?…あ」


私が言うと金ちゃんは私との近さに初めて気付いたのか火照った顔をますます赤くして


「す、すまん……」


慌てて私の上から退こうとした

が、こたつと私の間に挟まれてうまく動けないのか私の体の上でてこずっている


「んっ…金ちゃんっ…はやく…」

「無理やー!変にこたつから出てもうたから動かれへん……せや!もうこうしたらええんや!」

「えー!?……わぁっ!」


悪戦苦闘していた金ちゃんは諦めたように拗ねたかと思うとぎゅうっと私に抱きついてきた

あまりに勢いが良すぎて私は後ろに倒れてしまった


「なまえあったかいし柔らかいわー…」

「も、もう…金ちゃん…」

「んーまた眠たくなってきたわぁ…」

「金ちゃん…重いよ」

「堪忍や………すぴー」

「え…もう寝たん!?」


金ちゃんは私の上で規則正しい寝息を立てている


「…もう」


私は体をずらして金ちゃんと共に横に倒れこんだ


「…気持ち良さそうに寝ちゃって」


すやすやと安心しきった顔で眠る金ちゃんを見ているとこっちまで眠たくなってきて…



私は金ちゃんをそっと抱き締め返して眠りに落ちた―











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