俺だけを(謙也)
「何をそんな一生懸命見てるんや?」

「んー…アルバム?オサムちゃんが貸してくれてん」



俺の部屋でなまえがパラパラ捲っていたのは1年前のテニス部の写真が入ったアルバム



「おー…懐かしいなぁ」

「謙也変わってないな」


ふふっと笑いながらなまえはあるページで手を止めた


「…っ!何この財前くん…めっちゃかわいい…っ!」


それは財前が入部した当時の写真で、こけしをマジマジ見つめる小さな財前が写されていた


「やばい…かわいすぎるっ!キュン死にやっ!」

「確かにかわいいっちゃあかわいかったけど…この頃から生意気な奴やったなぁ」

「あはは、中身は変わってないんやな」



次のページの写真にも写っていたのは財前



「…男の子ってほんま1年でめっちゃ成長するよなぁ」

「ん?」

「1年前はこんなにかわいいけど、今はめちゃめちゃカッコいいもんなぁ…財前くん」


なまえは成長期って怖いわぁ…とずっと財前の写真を見つめている


……なんや、おもしろくないな




「なまえ、こっち向き」

「ん?」



素直に俺の方を向いたなまえにキスをした



「けっ…謙也!?」


突然のキスに顔を赤く染め、口をパクパクさせるなまえ



「他の男のことなんか考えんなや」

「…え?」

「お前は俺だけ見とけばええんや」

「謙也……」



なまえは潤んだ瞳で俺を見つめる

そしておずおずと口を開いた



「…私の中はいつも謙也でいっぱいやで?」

「っ!」


俺はなまえを強く抱きしめた



ほんまなまえのことになると余裕無くなってまうわ…



「好きや、どうしょうもないぐらい好きや」

「…私も」












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OVAの財前が可愛すぎた
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