充電(白石)
「蔵ー?」

「んー?なんやー?」

俺の部屋でくつろいでいると急に彼女のなまえが甘えた声で近づいてきた

「もうすぐやな…」

「?何がや?」

「テニス部の…合宿」

「…せやな」


そう、テニス部の合宿が3日後に迫っている
1週間程大阪を離れ、基礎体力作りから徹底的に鍛え上げるというものだ


「それがどないかしたんか?」

すりよってきたなまえの頭を優しく撫でながら尋ねると、拗ねたようにそっぽを向いた

「1週間も蔵と会われへん…」


なまえは吹奏楽部で、この時期コンクールのため毎日朝から晩まで練習がある

今日はたまたま二人とも昼からオフだったが、ただでさえここ最近ゆっくり過ごす時間がなかったのだ


「なまえ…俺かて1週間もなまえと会われへんとか…堪えられへんわ」

ぎゅうっと抱きしめると、なまえもこたえるように腰に抱きついてきた

「1週間、合宿頑張れるように…充電さして?」

そう言うとなまえは首をかしげながら俺を見上げてきた

「充電?」

「そ、なまえの充電や」

ちゅっと音をたててなまえにキスをすると、ほんのり頬を赤らめながらもなまえは俺に抱きつく力を強めた

「ん…私も、充電しやな1週間生きていかれへん」

「大袈裟やな」


二人で顔を見合せ、ふっと微笑みあうとどちらからともなく俺たちは唇を寄せ、今度は長いキスをした


「ん…蔵……もっと…」

「そんな焦んなや…今日はもう離さへんで」

「うん、離さんとって…蔵でいっぱいにして?」

「任しとき」


俺はキスをしながらなまえを抱き抱え、ベッドに横たえるとなまえと共にシーツの海へと沈んだ


これから会えない、触れ合えない1週間の分も俺たちは何度もお互いに求めあった──…









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