葉月さま/跡部甘


「なまえー!」


「ん?あ、ジロちゃん!」




跡部となまえがお弁当を食べていると、教室に慈郎が駆け込んできた




「…また来やがったのか」




笑顔で迎え入れるなまえとは対照的に苦い顔をする跡部




「見て見てなまえ〜このお菓子超おいしいC〜!」


「ん?どれどれ?あーそれ新製品じゃん!」




ちゃっかりとなまえの隣に座ってガサガサとお菓子を取り出す慈郎




「なまえ前に食べたいって言ってたじゃん?だから俺買ってきたんだ〜」




そしてニコニコと満面の笑みでなまえの手を握った





……おい、なまえは俺の女だぞ





あまりにベタベタなまえにくっつく慈郎に跡部は内心あまり気分のいいものではない




「あ、なまえ食べる?あーん」


「あーん」




跡部がヒクヒクと頬をヒクつかせながら様子を見ていると、慈郎はお菓子を取り出してなまえに食べさせたではないか




「どうどう?うまいっしょ!」


「んー!おいしぃー!」




仲睦まじく微笑み合う二人に跡部はもう限界だった







ガタッ




「ん?どうしたのー?跡部ー」




突然立ち上がった跡部を見上げて首を傾げる慈郎を無視して跡部はなまえの腕を引いた




「えっ、ちょ…景吾?」




なまえはズンズン歩みを進める跡部に連れられるまま教室を後にした




「なに怒ってたんだろ、跡部」




残された慈郎は目をパチパチさせながらお菓子を口に運んだ















「景吾?どこいくの?」




一方連れ出されたなまえは無言でだんだん人気のないところに行く跡部に少し不安になっていた


跡部は空き教室の前で立ち止まると、なまえを中へ押し込んだ




「景…っんん!」




ガラガラとドアを閉める音がして跡部の方を振り向くと、なまえの唇は跡部によって荒々しく塞がれた




「んっ、ふぅ…はっ」




両手で顔を固定され、指で強引に口を抉じ開けられて跡部の舌がなまえの口内に侵入するた


呼吸をも奪い尽くすような激しいキスになまえの息があがる




「ぷはっ…はぁっ、いきなり…どうしたの?」




ようやく解放されるもなまえは足の力が抜けてクテッと跡部にもたれかかった




「あーん?わかんねえのか?」




跡部が低い声でそう訊ねるもなまえはキョトンとしていて跡部は溜め息をついた




「…お前は誰のもんだ?」


「……景吾」




跡部がなまえの髪をすきながら聞くと、なまえは真っ直ぐに跡部の目を見て彼の名を口にした


「分かってるんならあんまり他の男と仲良くすんじゃねえよ」




そう言うと、なまえは少し考え込み




「ジロちゃんのこと?」




と訊ねた




「…あいつ、お前にベタベタしすぎだろう」




跡部は小さく舌打ちをしながら顔をそらすとなまえは跡部の顔を覗き込むようにして言った




「景吾…もしかしなくても、ヤキモチ?」


「っ!」




跡部の顔はカッと一気に赤みを帯びてしまい、気まずそうになまえの体を離そうとした



しかしなまえはどこか嬉しそうに微笑みながら跡部の腰に絡み付いた




「ばっ、おい…っ」


「えへへ…景吾ごめんね?これから気を付ける」




謝りながらも頬を綻ばせるなまえは恐らく跡部がヤキモチを妬いてくれたことが嬉しくて仕方がないのだろう



それを感じ取った跡部は少し躊躇いながらも




「…ああ、今日みたいなことがあったらまた連れ出すからな」




となまえを優しく抱き締めた












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お待たせしましたぁぁあ!
ジロちゃんに嫉妬する跡部さまです!
あああジロちゃんこんなんでいいのかしら(^O^三^O^)
ってかなんか色々中途半端でごめんなさい!←
もっと甘くしたかったな…
それにしても嫉妬する跡部たまらんな…はす
この度はリクエストありがとうございました!
苦情や感想等ありましたらお気軽にどうぞ( *・ω・)ノ


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