「あー風強ぇー…。ったく誰だよ、屋上で弁当食おうなんて言い出したのは」


「えーっ!だって天気いいのに教室じゃ勿体ないじゃないですか」

「おかず砂まみれになる方がもったいねーっつの!」


「はぁ?要はそうやって春ちゃんの思いやりを砂ごときでピーピー言っちゃうの!?だからバ要なんだよ」


桜吹雪が舞い上がる、というより砂ぼこりが舞う春

5人の生徒が屋上でお弁当タイムの真っ最中である


先程それに対して文句を言った要に小春は突っ掛かり、しまいには唐揚げを奪いとり「人のを無断で食うな!」と叩かれるのである


「まあまあ要くん。ボクのサンドイッチから好きなのとってくださいよ」


「要なんかに必要ないよ、春。ちゃんと自分で食べなさい」

「要ボンボンでしょ、おかずの一つ二つで何騒いでんの」

「いちいちつっかかってくんな双子!オレはお前らの巻き添えくらうっつーのが腹立つんだよ」


と、まあ結局は「まあ砂ついても腹に入りゃ同じだけどよ」と食べ進めていくのだ。この時、他の4人が思っていたことは同じであること間違いないだろう



「……ていうか貴女誰ですか」


祐希がボソリと呟き指差した先にいたのは小春である。

当の本人はむしゃむしゃと要と同じお弁当を頬張っている訳だが

「要、祐希に言ってなかったの?」

悠太の問い掛けに「あー…」と目をそらした要はボソッと「忘れてた」と呟いた


「で、結局誰なんですか。その人」

「え!祐希!私だよ私!」

「…知り合いに私だなんていう人はいません」

「うざっ!じゃなくて、忘れてただなんて言わせないよ!」

「小学生1年生まで一緒だった、要くんのイトコの塚原小春ちゃんですよ」


丁寧に紹介してくれた春とは別に祐希は密かに眉をひそめ考えるそぶりをみせる


「要のイトコ……塚原小春……誰だっけ」


「私にあんなコトやこんなコトまでしたくせに……ひどい!うわーん春ちゃーん!」

「誤解を招くような事言わないでください。…でも小春って言ったら、もっとこう…子ブタのような……」


スパーン!

「あんたがブタブタって言うから痩せてやったわブォォォケ!」


子ブタ発言した瞬間、頭に華麗に叩きを決めると子供の様にあっかんべーをしてみせる

春は苦笑い、要は呆れ顔である


「……そうですか。まあ小春だと分かった以上容赦はしませんよ」



祐希は心なしか楽しそうな表情をし、手をわきわきさせると小春は嫌な予感を感じとり祐希から距離を置くと



案の定、小春と祐希の追いかけっこの始まりである



容赦はしませんよ
(つーかまえた。)(ぎゃあああ離せバカヤロー!)(まだ肉付いてるじゃないですか)(うっさいわ!)(身長ちっさ。)(チビって言うなーーー!!)



‐‐‐‐‐
小春ちゃんは多分、幼少期のころ祐希くんにからかわれて、真に受けて落ち込んでそう。
番外とかで幼少期とか書きます(多分)


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