「悠太くん悠太くんっ、知ってますか?」

「どうしたの春、そんなに興奮して」

「今日、このクラスに転校生が来るらしいですよ!」

「へえ、そうなんだ」

「どんな人なんでしょうねぇ」



テンションが上がっているのは春だけでなく、クラスの人殆どが興奮気味だ

新学期のクラス替えに加え、転校生が来ると言うのだからテンションが上がってしまうのも頷ける。



ガラッと開いた教室の扉にクラスがシン、と一瞬静まる


「おらお前ら席につけー」



担任の教師がデカイ声で教室に入ってくる。その隣には見知らぬ女の子

生徒は各々の席につくもの、騒がしいままだ。


「えーまず、転校生を紹介する」

「えっと、転校してきた塚原小春です!最近こっちに来たばかりで分からないことだらけですがよろしくお願いします!」


少し緊張ぎみの自己紹介をし、ぺこりとお辞儀をするとクラスからはどっと拍手がおこった

少し照れぎみにはにかむ彼女は、わりと好印象であろう


「皆仲良くしろよー。席は後ろな、高橋ーいろいろ教えてやってくれ」


そこからは始業式のことなどの説明やらいろいろな話があった。


隣同士になった高橋と小春はと言うとなかなかいい感じである


「私、高橋里奈。分からないこととかあったら気軽に聞いてね」

「ありがとう、よろしくね!私のことは小春でいいよ」


すごくほのぼのしているようだ。



休み時間、私は恒例とも言える質問攻めにあっていた。
あっちからもこっちからも質問が飛んでくる。かろうじて答えてはいるけどだいぶ大変だ


「塚原…さん?」

その時後ろから透った声で呼ばれ振り向く。そこには二人の男子生徒。すごいどこかで見たことある気がする…というか絶対知ってる…!なんかこう、本能が叫んでるんだよ!(?)

片方の男子に腕を捕まれそのまま廊下に連行させると、あの質問攻めから逃げれたことにホッとため息をついた


「あの、小春ちゃん、ですよね…?」

「春、それじゃわかんないでしょ」

「あああっすいません…!」

「で、俺達のこと覚えてる?」

ぽわぽわした雰囲気の女の子顔負けな可愛らしい春、という人と無気力そうな人に問われとりあえず頷く

まあ覚えてますし?


「春ちゃんと悠太でしょ?」

「わぁ!覚えててくれたんですね!」

「あったり前でしょ!それに要からも聞いてたしね」

「それにしても小春、だいぶ変わってたから最初わかんなかったよ」

「まあね!」


ふふん、と鼻をならす

正直昔のアレは忘れたいとこだけどこの反応だけは仕方がないだろう、と先日の要の反応を見て覚悟していた






「ただいまー……」

「おかえり要くぅーんっ!」

「ばっか!!だからくっつくなっつーの!!」

「……どうも」

「…………え?は?」

「あ、要くんに言い忘れてたけど今日からこの家に小春ちゃんも住むことになったから!」

「よろしく要」

「こいつが小春…?!っていうかそういうことは早めに家よ!!最近なんかやってると思ったら…はぁ、」

「ていうかなんですかそのこいつが小春…?!って反応!あまりにも失礼すぎやしませんか要くん!」

「いやだってお前めっちゃ太って……」

「うっわ失礼なんだー!!女の子にデブは禁句!」




的なことがね…。ああ、悠太はなんとかオブラートに包んでくれたようだけど、その弟が怖いな。あああ…


とりあえず今は再会に喜んでおこうか


古い友人との再会
(そうだ!お昼一緒に食べませんか?)(うおお食べる食べる!)


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