「お前さあ、昔から体育も適当こいとるけどマジで運動オンチなわけ?」 いや要お母さん。お昼休みの見たでしょう、こちとらあんなマジで逃げてるのに全速力も出さないで捕まえる祐希が運動オンチなわけないでしょ、と私は思うよママン 「バスケぐらいもちっとマトモにしてみろよ」 「マトモにと言われましても…」 「それかそんなに出来ないんならバスケ部入れよ」 「そうですね!男の子にバスケって必須ですからね!」 要の提案に春ちゃんが賛成してなんだかどんどん話が進んでいく 正直、バスケやスポーツで青春に花を咲かせている祐希なんて私は想像もできなかった。 休憩が終わり、後半戦が始まる。前半とは全く空気が違った。というか祐希が凄い真面目。点を入れるまでは凄いあっという間だった。現役部員かおまけである。 「祐希かっちょえー。」 「祐希は運動神経めちゃくちゃいいよ」 「は!?」 これには要お母さんもビックリである。私もビックリした 「本気出したらもっと凄いし」 「あれ以上がまだ!?」 なんだか少し騒がしい方が気になり見てみると、体育館入口に女子が群がり小声の黄色い声をあげていた。 「祐希はモテモテですなー」 「バスケこんなにかっこよくキメられたら、そりゃあ女の子が黙ってませんよ」 双子そろってイケメンだもんね。私なんかさっき春ちゃんにカッコイイって言われたもんね!!こっちには春ちゃんいるし!!(なにと戦ってんだお前は by要) 「上手いっつっても完全に個人プレーじゃねえか」 「そうですけど…」 キャプテンが「ヘイ!ナイシュ!」とハイタッチを求めるも祐希は無反応でこちらに戻ってくる。キャプテンは心が広いのかポジティブなのか、さほど気にしてないようだった それからバスケ部を後にした一行はその後も部活見学を続け柔道部で掴みかかり、水泳部で老後の健康を考え、陸上部では「つかれる!」と一刀両断 さらに弓道部では弓を構え 「で、これを誰に向けて撃てば…?」 「的です!!」 「あぁ、これですか」 「なんで私に向ける!?」 となかなか決まらずじまいで。 一先ず教室で休憩することになった 「あーくそ。なんでこんなに決まらねんだ…」 「だからね、決まらなくていいんだって」 「もういいんでない?何しても祐希のコレは手遅れだって」 春ちゃんの背中によしかかっていれば上からバコッと叩かれる もう何なの!頭の細胞無くなっちゃう!! 「いーやダメだ!お前はもっと新しい世界を見るべきなんだよ」 机に俯せていた要はいきなりグワッと顔を上げ、机を叩くと必死の形相で語りだす。正直顔がマジすぎてキモかったっていうのは内緒ね! すると春ちゃんが足音を聞いたのか廊下に振り向くと東先生が歩いていたので、ためらいもなく呼び止めた こらこら先生も忙しいんだから!しかしイケメンである。こんな理想の先生像を兼ね備えた先生が実際にいていいのだろうか?!女子生徒と禁断の恋なんてことも…?! 「なるほどねえ、祐希くんの入部先かぁ…」 「なかなか決まらなくて……運動部は殆どまわってみたんですけど…」 「運動部?」 「…そいつスゲー運動神経いいから………です」 先生に対してぶっきらぼうな要を見て、思わず笑いそうになってしまった こういうのとか、昔から変わってない こっちに来て、皆変わってたらどうしようかと不安もあったけど 外見は成長で変わったにしろ中身は昔のままで正直嬉しかったのが本音だ と、回想を広げているうちに話は進んでしまっていた 「その人が持ってる力と、やりたいことっていうのは必ずしも対じゃないからね」 東先生のその言葉は、私の中にストンと入ってきた こんな私にも将来やりたい事、何て言うものもあったりするのだ (何故か私は、)(その優しい横顔に)(見とれてしまった) ( もどる しおり ) |
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