「つか、疲れた…っ!」

息を乱しながらよっこいせ、と座りこむと要に「暴れすぎだ」と叩かれた。ムカついたから要のお茶全部飲んでやったらまた叩かれた。

要は叩きすぎなんだよ
これ以上馬鹿になったらどう責任とってくれるんだね要くん




「そういえば、要くんと祐希くん同じクラスになるの初めてですよね。どうです?」


春ちゃんがワクワクしながら思い付いたように聞いてみるも反応なし。お前ら、天使な春様を無視するとは何たる無礼だ!あ、悠太!私も春ちゃんの髪やる!お揃いにしよお揃い


髪をいじられることは気にもせず、反応がない2人に「…あの…」と戸惑い気味である


「どーもこーも、最悪だよこいつ。クラスの誰に話しかけられても基本が無視なんだよ」

「えっ!そうなんですか?」

「うわ祐希酷いんだーいひゃひゃひゃ!や!やめ!あひゃひゃっ」


私が言葉を発した瞬間くすぐられた。な、なんで私だけこんなめに…!大体祐希が悪いん(長くなるので強制終了)


「べつに故意に無視しようなんて思ってないよ。ただ誰の言葉もオレの中にまで響かないだけで…」
「単にお前が人の話聞いてねえだけだ」


そんな祐希(というかクラスの人)を心配してか兄の悠太に助けを求めてみるも「いんじゃない?」と言う。兄曰く「そういうのも祐希だと思うし。一匹狼っていっても誰かを傷つけるわけじゃないし」だそうだ

「無視されたら十分傷つきますよ」

すかさず突っ込む春に私は惚れ惚れする。どこまで優しいんだ春ちゃん


「だいたい祐希は普段から協調性っつーか、他人を思いやる気持ちってのが足りなすぎんだよ」


さすが幼なじみというか、よく分かってらっしゃる

すると、要はなにか思い付いたように眼鏡を知的にクイッと上げた

「よし祐希。お前今スグ部活にはいれ」

「はあ?」

春ちゃんの髪をイジリながらその光景を眺めるが、祐希はさぞかしめんどくさそうだ

「今のお前に不足しているものを補うには部活動が一番手っ取り早い」

対して要はやる気満々である。眼鏡をギラリと逆光させた。
そういえば要っていつから眼鏡かけてるんだろ?






放課後。私たちは体育館に来ている。どうやら部活の話は本気だったらしく、今バスケ部のキャプテンらしき人と話している


「見学?だったら試しに一緒に試合してみる?」

「そうさせてもらえよ」

「あ!じゃあ私もする!女子だけど、いいですか?」

「うち女バスないからね、まあイイよ」


よっしゃー!今回メインの祐希と比べ私はやる気満々だった。ブレザーとカーディガンを脱いで春ちゃんに預かって貰う。




試合が始まると小春の目つき、雰囲気が真面目なものへと変わる。

「キャプテン!こっち!」

囲まれていたキャプテンに小春が声を上げボールを受け取ると、ノーマークだった小春はどんどんと上がって行く


離れた場所から高くジャンプするとボールをリングに向けて飛ばす。高く、大きく飛んだボールは、まるでリングに吸い込まれるように落ちていった

一瞬シン、と静まりかえるが少ないギャラリーが少しざわめいた



キャプテンとハイタッチをすると春ちゃんたちの元へ戻ると感激された

「いやー二日後くらいには筋肉痛だわ!」
「ババァかよ。」

「小春ちゃん、バスケ出来たんですね!すごいですよ!かっこよかったです!」

「えへへ、中学までバスケ部だったんだよね!これでもスタメンで全国まで行ったんだから」


ふふん、と得意げに鼻をならしてみると春ちゃんは更に目を輝かせた





祐希はというと、
「…祐希くん、あからさまにどうでもいい感じですよ?」

熱くなっている部員と比べてとろとろと歩いているだけだった。余りにもシュールなもんだからぶっ!と吹き出すと要に叩かれた。なんでだよ!


そこで、キャプテンからのパスがくる。しかし祐希はボールを律儀に避けたのだ

「よけるなーっ!!」

「だって向こうが一方的に…。気持ちの押し付けってどうなんですか。」

「それじゃチームプレイが成り立たんだろ!!」


要お母さんはお怒りです。


部活見学
(塚原小春さん、だっけ?)(あ、キャプテン)(塚原さんマネージャーやってみない?)(え?!)


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