「あ!美里ーっ!」

「ぎゃあ!!くっつくなバカタレ!!」


お手洗いの帰りに飛び付いてくる円堂。正直疲れまくりである

だいたい私たちはもう高校生であり、男女の体格差というのはどうしてもついてしまうわけで

そんなデカイ円堂が飛び付いてくるたび転ばないようにするのは苦労なのだ



「や、村上さん」

「うぇ?!きききき基山くん…!」

「きが多いよ」


どうやら基山くんも一緒だったらしく、まさかの不意打ちにテンパってしまった

円堂を剥がし、基山くんがこちらに歩み寄ってくる

不意に目が合い、互いに微笑む(多分私は緊張で引き攣った)


しかし、いきなり基山くんがフラつき…──




ズリッ


ガシッ

むにっ






「…………え、」



一体何が起きたのか、とりあえず分かる事だけまとめてみよう


・基山くんが転んだ

・基山くんが視界から消えた

・体への重み

・胸への感触

・ムンクの叫び状態の円堂



視界を下にずらしてみると、私へと引っ付く基山くんがいて、胸には手があって、


「……柔らかい…!」

「ぎゃああああぁぁあぁあぁあああああああああああああ゙あああああ゙ああああああ!!!!」


──バッチン!!!


心臓が止まったかと思った。顔をポッと赤らめて気持ち悪い表情で揉んでるもんだから

つい手が出てしまった。


「……気持ちいい…!」

「もうやだこの人!!」



まさかクールで優しくてカッコイイ基山くんは円堂寄りの人だとは思わなかった……

いや知らなかっただけなのかもしれないけど

もう胸を触られたことよりも廊下にいる人全員の視線を浴びる方が辛かった。



「ヒロト……お前ってやつは…………





グッジョブ!!」

「グッジョブ!!、じゃねーよアホか!!もうやだこの痛い視線の嵐をどうにかしてーーーーーっ!!!!」


「美里ちゃん。…グッ!」

「死ね」

ゴチンッ!!

「あああっ…!」

やめて!叩いたら気持ち良がるのやめて!!


とりあえず辛い空気からエスケープしよう。そうしよう。



私は悪くないのにきっと基山くんファンに呼び出しとかくらっちゃってボッコボコにされちゃうんだきっとそうだ


そんな事を考え、私は泣きそうになりながら屋上へと足を速めた。






「円堂くん」

「どうしたんだよヒロト」

「実は俺、美里ちゃんが好きなんだ」

「……、」

「さっきのはわざとじゃなくて、あんな事になっちゃったからつい裏の自分が出てきちゃったけど……俺の気持ちは本物なんだ!」

「ああ!それは伝わったぜ」

「円堂くんには知っておいて欲しくて…。これからは俺も美里ちゃんにアピールしていくつもりだよ」

「そっか!んでも、俺も美里なこと大大大大大好きだから負けねーからな!」

「でも円堂くんのことも好き」

「………。」




これからどんな日常が待っているのか、屋上で現実逃避している美里は知るよしも無かった



急展開すぎて
(あの瞬間は)(私の恋か憧れかもわからない好きが)(散った瞬間)



‐‐‐
文がまとまらなくてぐちゃぐちゃで泣きそう(しろめ)



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