唐突だが、私には好きな人がいる。それは恋心なのか、ただ単に憧れているだけなのかは定かではない(恋というものをしたことがないから)。


初めて見たのは、雷門高等学校入学式の時。
彼は新入生代表として挨拶をしていた

その時はまだ、素直に綺麗だなぁ……とは思ったけどそれだけ。


それからいくつかした時だったかな、たまたま先生に呼ばれて急いでたの。

ベタだけど、廊下を走ってて角を曲がった時に彼とぶつかったのだ

私たちはお互い尻餅をついてしまった。あきらかに私が悪いのに、すごく申し訳なさそうな顔をして「ごめんね」「怪我は無いかい?」と言って手を差し延べてくれたのだ。


それが、始まり


単純とか言うな!


彼は、本当に綺麗で、優しくて。ファンもいるくらいなのだから




そして今日から新学期が始まり、勿論のことクラスがあった訳なのだけど……


ずばり言いますと、憧れの彼と同じクラスになりました…!!


ぃぃぃいいいいやっほおおおおおおおおおおおう!!!


なんて浮かれていたのもつかの間、余計な奴まで同じクラスになってしまったのだ……。その人物というのは……



「美里美里!また同じクラスだな!しかも隣の席だぞやったな!運命だ!好きだ美里!!」


そうコイツ。円堂守である。

円堂は、幼なじみとまではいかないもの、腐れ縁というやつだろうか。小学の高学年からずっと一緒なのだ

あんまり嬉しくないけど……


なにかある事に私の所に来ては出来事を一々報告したり自重せずに好きだと言ってみたり(よく風丸たちから哀れみの目で見られる)(助けろバカヤロー)

とにかくうざったらしい奴だ。けど、悪い奴じゃないから嫌いにもなれない私がいるのだ。


「あーハイハイ、よかったね」


しかし隣の席だ、毎日隣からこれをくらうと考えると気分が落ちた




「円堂くん、ちょっといいかな」

「おう!どうしたんだよヒロト」


基山くんキターーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!まさかいきなりの接触…!!心の準備がっ!!!

おっと、つい取り乱してしまった。



そう、憧れの相手とは基山くんなのだ。円堂と同じサッカー部だしそのうち接触するとは思ってたけどこんな早くに来るとは誰が予想しただろうか



部活について話があるそうで、円堂と基山くんはどこかへ行ってしまった

ただ、去り際に基山くんが「村上さん、円堂くん借りるね」と微笑んでくれたことが、何よりたまらなかった。女の子が彼に惹かれるには十分の要素である



それだけで、なんだかこれからも頑張って行ける気がした




が、そんなものは幻想で、後に呆気なく崩れ去ることとなるのだ。



憧れの人
(ときめきが)(隠せない!)



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