「よい、っしょ…!」


今な何をしているかというと、先生に頼まれたノートとワークを運んでいます。

何故そうなったかは、さっきたまたま私を見かけた、ということを理由に押し付けられました


普通さ!女子にさ!こんないっぱい持たせないよね!鬼畜だね!職員室遠いね!

こんな時に限って一人なんだよね。泣きたい。


もう歳だから腰が痛い痛い。手とかもうちぎれそう


後で玲名に慰めてもらおうそうしよう……。



──ドンッ


角を曲がった時、誰かとぶつかり手に持っていた物は散らばり私はずっこけて尻餅をついた


「いっ…たたたた……、」

「わ、悪い!大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ!ごめんねよそ見してて…」


まさかこんなベタベタな展開を繰り広げるとは想像もしてなかった

もう正直恥ずかしすぎてこの場から走って逃げたかったけどそういう訳にもいかない

「俺こそ……。怪我とかしてねえ?」

「ううん!全然無傷だよ」


軽く手を振り大丈夫だと伝えると相手は安心したように微笑んだ

て、あれ…?この人どこかで見たことあるような……

だ、誰だっけ……

相手の顔をジッと見つめながら思考を巡らせる

すると彼は顔を真っ赤にして背けた


「あ、ずっと見ちゃってごめんね!」

「べ、別に…。それよりこれどこに運ぶんだ?」

「職員室、先生に頼まれちゃって」

「そ。手伝ってやるから早く集めるぞ」

「えっ、いいよいいよそんな!」

「こんな沢山持ってけるのかよ?人の行為は有り難く貰っとくもんだぜ」

「そうかな?じゃあ、お願いします」

「おう」


ぶっちゃけありがたい。今回は甘える事にした。



それにしても誰だっけ……名前が出そうで出ない。


……思い出した!!前から見るたび廊下ではしゃいでる人!

えっと、えっと…、な、なぐ、
「南雲晴矢だ!」

「うお?!」

「わわ!ごめんいきなり!」

「俺の名前、知ってたんだな」

「教えてもらったの。いっつも廊下で騒いでるでしょ?」

「ま、まぁな」

「それで結構目立ってたし、サッカー部ので話題だしね」

「ふーん…」


そう、いつも廊下で騒いでる3人組はサッカー部で結構話題なのだ。

その3人組はサッカーが上手で1年生ながらスタメン入りは確実だろう、って


実は女子サッカー部の方でも同じ感じに玲名も話題だったりする


「大山かずほ」

「え?」

「お前の名前だろ?」

「ははっ、知ってたんだね」

「いつも玲名と一緒にいるだろ。聞いてないか?幼なじみって」

「あーなんか言ってた気がするかも」

「気がするかよ!」

南雲くんは面白かったのかクツクツと喉をならす。それに釣られて私も笑う


まさか軽く有名人である彼と話すことになるとは思ってなかったけどね。さっきまで誰か忘れてたけど。



「なんか手伝わせちゃってごめんね」

「いいっていいって」

「ふふ、少し怖い人かと思ってたけど結構話しやすくて安心した!」

「怖くねーよ」

と言うとまた南雲くんは笑った

結構笑う人なんだなぁ、としみじみ


「そんじゃ、俺そろそろ行くわ」

「うん、ほんとありがとね!」

「おう!」



手を軽く振り去っていく姿を眺めてから私も帰る準備をする


この事は、後で玲名に報告かな!



(玲名玲名!南雲くんと話したよ!)(ほう)(チューリップだった)(本人の前で言ってやれ)



‐‐‐

グダクダだーーー!!!南雲くんの口調がわからない



 

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