「……!…きろ、…おい!かずほ!」

「なぐ……も、くん……むにゃむにゃ」

「かずほ……。」

「…っ!!?ぃいいひゃひゃひゃひゃ!あっ、ちょ、ぐふっぶふふひぃぃや、ややめ…!!」

「やっと起きたか」


やばいどうしよう。状況が把握できない……。

目の前には玲名、さっきくすぐられて起きた。……起きた?あれ、私いつねたんだっけ


「え、と…おはよう?」とにへらと笑うと頭にチョップを食らわされた。痛い……と半泣きになっていると玲名が時計を指さす


「もう放課後だ。5時間目からずっと眠りっぱなしだぞ」

「え……あらま。て、てへっ?」

「か、可愛い…!!っっじゃなくてだな、早く帰る用意をしろ」


わざとらしくかわいこぶってみても 可愛くないぞ というツッコミは来ず。「玲名は私のことが好きでちゅね〜」と言ってみるとまたチョップを喰らったので渋々準備することにした



「あれ?かずほちゃん起きたんだ」


丁度イスから立ったと同時くらいに例の3人が教室にきた。おはよう、と言えば3人ともおはようと返してくれる


「そろそろ行こうか」

「そうだな」


この光景め見慣れたものである。すると隣から不意に頭を触られる。見てみるとどうやら半日は南雲くんだったらしい


「寝癖ついてたぜ」

「わわっ、ありがとう」


寝癖を見られついつい赤面である

鞄から手鏡を出し髪を軽く整える。あ、左ちょっと跳ねてるや

ついでにリップも塗り、ガサゴソとしまう。跳ねた髪の毛は手グシだけでは治らなかったので諦めた


「とりあえず、ゲーセンでいいかな?」

基山くんが皆に問えばオーケーの声が上がる。プリクラ撮りたいなぁ




ゲーセンにつけば物凄い音達が襲ってくる。すぐに慣れてしまうのも不思議なものだ


「あっ!」

と声をあげたのは私。いや、あのね。ユーフォーキャッチャーに大好きな可愛いぬいぐるみがあったからね!ついね!


「ちょっとアレやる!」と告げればユーフォーキャッチャーに近寄りコインを入れる



よし!と張り切ったのはいいもののなかなか取れず600円も使ってしまった。びんぼー学生にとっては痛いこの上ない。あと1回のところで隣から腕が割り込んでくる

「私に任せろ」

そう言うと涼野くんは特に表情を変えることなく操作を進めていく。それは確実だった、あっというまにぬいぐるみを掴んでは穴に落とす

まさに神技を繰り広げた

「うーわ!涼野くんありがとう!」

ぬいぐるみを取り出しギュッと抱きしめると楽勝だ、と言わんばかりのドヤ顔で私の頭をぽんぽんと撫でた


その後も色んなゲームをしては騒ぎを繰り返し、最後のシメとしてプリクラを撮った。プリクラの一つを携帯に貼り満足そうな笑みを一つ


帰りは皆方向がバラバラなので、各々解散となった。

方向が同じな南雲くんとは必然的に一緒に帰るわけで
前はなんとも思ってはいなかったけど、今はこの二人の空間に緊張した


途中で、少し疲れたしあそこ寄ってこうぜ、ということになり公園入口付近にある階段で休憩することになった

ちょっとだけ沈黙が続き気まずさを感じていると隣から何かを差し出された

「これって…!」

南雲くんが差し出したのは私の大好きなネコのキャラクターのストラップ

「やるよ」

「ほんと?ありがとうっ」

ストラップを受け取ると早速携帯につける。かわいいなぁ、と眺めていれば南雲くんがぽつり、と喋りだす


「実はさ、俺もそのキャラクター好きなんだよな」

「え、そうだったの?」


なんか意外!と笑えば南雲くんもなんだか恥ずかしそうに笑った


笑った顔もカッコイイけど、少し可愛い

なんて思いが頭を過ぎり一人で赤くなった


「南雲くんってさ」

「ん?」

「好きな人とかいるのかなーって」

「まぁ、うん。いるぜ」

「へぇー、」

南雲くんの好きな人なら可愛い子なんだろうね、なんて笑えば南雲くんはポッと頬を染める

なんだか妬けちゃうなぁ。

「お前は?」

「私も、いるよ」

「……そっか」


顔をチラ見してみれば、さっきまで赤くなっていた顔は少し残念そうな表情になっていた

なんでだろう。そのタイミングでその表情は…少し期待しちゃうじゃん、ね



「んじゃ、そろそろ帰るか」

「…、そだね」




「俺、大山の事結構好きだぜ」


自惚れちゃうからやめて。


今ここで、君が好きだよって言ったら貴方はどんな顔をするんだろうね


(わかったの、)(私は)(南雲くんが好き)



 

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