かれこれ入部してから数ヶ月。部活にもだいぶ慣れ、楽しくサッカーをしています

玲名曰く「お前は才能ある。磨けばもっと光るぞ」らしい


最近は必殺技なるものを得るべく、近所の仲良くしてもらってる人に伝授してもらったりしている

惜しいとこまでいくけどなかなか出来ないまどろっこしさがなんともいえなかったりね


ところで今日はというと不定期で監督の気分によって行われる男女混合の練習試合があるらしい



「今回の白組は基山と大山のツートップでいく。各自配置につけ」



周りがザワリと騒がしくなる。当たり前だ。新人の私がFWについたのだ、不満の声があがるのも頷ける

それに私はFW勢と違い必殺技がないのだ。部内の練習試合とはいえ焦りがはしる。汗がにじむ手にぎゅっと拳をつくる


すると相手チームである玲名と涼野くんが励ましてくれた

最後に南雲くんが「焦る必要はないぜ、自分のプレーをしな」とぶっきらぼうに言葉を投げつけ頭をガシガシと乱暴に撫でた


配置につくと隣の基山くんまでも「リラックスしていこう!」と声をかけてくれたのだ。やはり持つべきものは友だなとしみじみ



試合開始のホイッスルが鳴り響く。白組のキックオフから始まりあちらこちらとボールが忙しなく動き回る


前半は基山くんの活躍により1点を取れたが相手チームは2点。

私もシュートを試みたがそれは絶やすく止められてしまった。正直くやしい。

友達に教えてもらった必殺技、未完成だけど……一か八かでやってみようか。

同じチームの人が私の愚痴を吐くのだ、このまま黙ってはいられない。


後半は赤組からのキックオフ。それをカットしたやすく奪ったのは白組、そのままボールをキープし駆け上がる。

やるしかない。
基山くんとのアイコンタクト。どうやら察してくれたようだ

「かずほちゃん!!」

「はい!!」

ボールが私に渡る。やるならいましかない、やるならいましかない…!!


ボールを蹴りあげ、それにあわせて飛ぶ。背中からはメキメキと翼が生えてき、パサリと羽をまいた


「ゴッド─ノウズ!!」


ボールに力を込めて蹴る。そのままボールは力強いスピードでゴールに突き刺さる


「できた……」


試合を見ていたであろうギャラリーがどっと沸き上がる


「やったねかずほちゃん!」


基山くんが駆け寄ってきてハイタッチをする
そうだ、私が得点をいれたんだ…私が……


「やったあああああ!!」





試合結果は私達のチームが負けとなってしまったけど、結果はどうあれ成長出来たのだ。そこは褒めるべきだと監督が言っていた。





「大山」

「あれ、南雲くん?どうしたの?」


上々な気分で部室から出ると南雲くんが待ち伏せていたのだろう、「一緒に帰らないか」というお誘いだった。今日は一人だったので勿論大歓迎である


「まさか大山がゴッドノウズできるなんて知らなかったぜ」

「ゴッドノウズをしってるの?」

「中学の時に、チームメイトが使ってたんだよ」

もしかして知り合いだったりしてな、とクスクスと笑った


「あれ出来たの、今日が初めてなんだ」

「そうなのか?」

「うん、最近知り合いに教えてもらってたんだけど、なかなか出来なくてさ」

火事場の馬鹿力ってやつ?と笑いながら言えば少し違う、とつっこまれた

「…その知り合いってもしかして金髪ストレートの女みたいなやつか?」

「あれ、アフロくん知ってる?」

「知ってるもなにも、元チームメイトだっつーの」

まさかのお互いの共通点に二人して笑い合った

その後も何がおかしいのかわからない話をしながら帰路を進む

おまけに家が割と近かったってことも分かり、更に笑った


「んじゃ俺あっちだから」

「うん、じゃあね!」

「おう、またな」





(アフロくん!アフロくん!)(ゴッドノウズできたよ!)



‐‐‐

もうこれ何夢なんだろ…サッカーの話入れたいと思ってたらこんなふうになっちゃったんだ……こんなはずじゃなかったんだ……。
次から巻き返していきたいと思います



 

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