「げーんだくん!」

「あぁ、苗字か」

「何その反応ー!?」



ども!みんな大好き苗字名前でうs

失礼、かみました



唐突ですが、なんと!もうすぐテストがあるのです。

という事で!1年の頃から同じクラスで何故かよく隣の席になる頭の良い、源田くんにお勉強を教えて貰おうということです


「すまない、」


にへら、と微笑する彼は相変わらずの美少年である。


「もう源田くんって部活休みに入ったしょ?」

「そうだが……、あぁ今回もか?」

「いえっす源田くん流石!物分かりが良くて助かるよ」

「まぁ恒例行事みたいなものだしな」

「いやぁすまないね!」


はっはっは!と笑い飛ばすとこれまた優しい源田様は微笑みを浮かべた
美しい……!輝いてらっしゃる……っ!!




ということでテスト前のお決まりイベント、源田くんのお家で勉強会です


ってこれまた家が近いんですよ!源田くん家の隣の隣の隣の向かいが私の家なのです。
なんだかもう運命感じちゃうよね。




「お邪魔しまーす」

「先に俺の部屋に行っておいてくれ」

「はいよ」

こんなやり取りも慣れたものだ。スムーズに源田くんの部屋にお邪魔すると、そこは相変わらず綺麗であった。容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、気遣いのできる優しい人。男の鏡ですね!
そんな完璧そうな彼にも欠点があったりします。秘密だけどね!

ずかずかと部屋に乗り込むと よいしょ、とベッドに座り鞄を漁って勉強道具をテーブルに乗せていく


「飲み物持ってきた」

「あ、ありがとう!」



それじゃ始めますか!


「どこか分からない所はないか?」

「んー、ここなんだっけ……?」


こうして源田くんは優しく教えてくれる。我ながら良い友を持ったと思う


しばらく無言のままカリカリカリと勉強を進めて行く


「んー……。」

「分からないのか?ここはだな……──」


丁寧に説明をくれる源田くんの声に耳を傾けながら手元を見る


あれ……?今まであまり気にした事がなかったけど、良く見ると源田くんの手綺麗だなぁ……字も男の子にしては綺麗だ


「……っ?!」

チラッと源田くんの顔を見上げると割と近くてびっくりした

顔も、整ってて綺麗だなぁ……。長い睫毛に高い鼻、形が良くて色付きね良い唇…………って何考えてるんだ勉強に集中しろ私の馬鹿ー!!

そんな事をしていると、ふと源田くんとがっつり目が合う


「ん?」








きゅうううん!


ききききききき聞きましたか奥しゃんんん!!?!?!いっ、いま!いま!美しい源田様が心地の良い声で「ん?」って!!「ん?」ってえええ!!!!イケメン様の「ん?」は反則です!!

ななななんですか今の……!凄く胸がキュンキュンしたのですが?!えっ、どうしよ何?!


「大丈夫か?苗字、少し顔が赤いが……」

「だっ、だだだ大丈夫だよ?!うん!大丈夫!」

「そ、そうか?あまり無理はするなよ。じゃあ説明を続けるが……」


あああどうしよ……集中出来ないし顔近いしなんかドキドキするしどうしちゃったの……!!

なんだかじわじわと顔に熱が集まるのを感じた


ふいに、源田くんが小さく息を吐いたのが耳にかかる

「ひぁっ……!」

「え……?」

「えっ!?や!いまのは……!!」


続きの言い訳(?)が思い付かず耳まで顔を真っ赤にしてギュッと目を伏せる


恥ずかしい……!!耳に息がかかって変な声でちゃって……!!!
源田くん何かちょっと驚いた顔してたけど?!やばいやばいやばい引かれたかもしれない……


少し様子が気になってソッと目を開き視線を上げる

目が合った


き、気まずい!非常に気まずい……!!


「……っ、」

──ガシッ


えっ!えっ!えっ?!ちょ、肩掴まれましたけど!?なんか顔が近づいてきてるような……


「げ、源田く───」


互いの息がかかるくらいまで近くなって、あぁもしかして なんて思って目を伏せようとした時、


──ガチャ


「名前ちゃーん、幸次郎ー、差し入れよ……あら、」


現れた人物にバッと私達はそちらに顔を向ける


「か、母さん……!」

「やぁだ!ごめんなさいねぇ、母さん邪魔しちゃったかしら?!ふふっ!ここに置いておくから後はごゆっくり〜!ふふふふっ」

「ちがっ……!!」


私達の様子を見た源田くんのお母さんは何を勘違いしたのか凄く嬉しそうな顔をして出ていった




「……」
「……」


二人目を合わせると顔を真っ赤にさせてババッと勢いよく離れる


「すすすすまない!!」

「だだだだだだだいじょうぶだよ……!!」

「そ、そうか……?」

「うっ、うん!」


お互いどもりっぱなしだ。だってさっきのって……。


勉強を再開するも二人してそわそわして集中できなかった。






「じゃあ、今日はありがとうね!」

「あぁ、また明日学校でな」

「うん!それじゃまた明日!」




家についてバフン、とベッドに倒れ込む。

やっぱりアレって……キス、だよね……。その時の源田の顔を思い出す


カァァァ


頭をブンブン振り、考えないことにした。





(ねぇデコ見)(デコゆうな!)(最近源田くんの事考えたり見たり話すだけで胸がぎゅうううってなるんだけど、私病気なのかな……。)(お前、それって……)



恋じゃね?
 






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