皆々様、今日は何の日かお分かりだろうか。

2月14日

そう、バレンタインデーです。女の子が想いを寄せている男性にチョコレートをプレゼントする、という毎年女の子が張り切る日ですね。

最近は友チョコやら逆チョコなどもありますが……。あ!もちろんお友達には今日プレゼントしてきました!そして私も貰いました!しばらくはオヤツに困りませんね


……って!私が言いたいのはそういう事じゃなくてですね……。


実は私、苗字名前は想いを寄せている人がいるのです。


学校は違うんですけど小さい時からのお隣りご近所で……、その方の名前は半田真一くんと言います。

とはいってもそんなに仲が良いわけでもなく、たまたま会ったら挨拶するくらいなのです。

ですが今日、私は勇気を出して半田さんにチョコレートを渡し、こっ、ここここ告白をですね……!


今から緊張しまくりで大丈夫なのでしょうか……はぁ……。




半田さんを好きになったきっかけ、というかたいしたことではないのですが……


少しご近所のスーパーにお使いに行っていた時の帰りでした。

多分会社帰りなのでしょうか、スーツを着た見知らぬおじ様が顔をデレデレに緩ませ私に話しかけて来たのです。

「お使いかい?偉いね〜。大変でしょう、俺が持って行ってあげようか?」

「えっ」

「ついでにご褒美で何か奢ってあげるよ」

「いっ、いいです……!大丈夫ですからっ」

「遠慮してるのかい。いいっていいって、甘えておきなさい」

「ホントに、大丈夫ですから……!」


デレデレなおじ様は少し息が荒く、とてつもなく恐怖を感じました。私が拒否をしてもいいよいいよと押してくる

今にも泣き出してしまいそうなくらい恐怖が頂点に上り詰めた時でした……


「おっ、おいオッサン何してんだよ……!!」


それはよく見知った隣ご近所の半田さんでした。凄く険しい顔をしており、力強くおじ様の腕を掴んでいました

私は腰が抜けてしまい、その場にストンと座り込む


「な、なんだね君は!」

「困ってるだろ、やめろよ!!」

「君には関係ないだろう?!」

「関係ある!その子は俺の友達だ!」

「なっ、なな何なんだ最近の若者は……!!」


半田さんのおかげでおじ様は文句も言いながらも去って行きました。

安心からか、私はうわんうわんと小さな子供のように泣きじゃくってしまいました。今思い返すととても恥ずかしい……。


「大丈夫?苗字さん」

「あ、ありがとうございます半田さん……!おかげで、助かりっヒックましたあ……っ!」

「怖かった?もう大丈夫だから安心しろよ」


お優しい言葉と共に私が泣き止むまで側に居てくださいました。多分、私はこの時に心惹かれて想いを抱きはじめたのだと思います


「落ち着いた?」

「はい、すいません見苦しい所をお見せしてしまって……」

「困った時はお互い様だろ?」


と、素敵な笑顔を下さったのです。凄く心の中が暖かくなったのを覚えています

そのあとは家もお隣りという事で一緒に帰らせていただきました


この出来事をきっかけに私は半田さんを想う事ができたのだと思います



そして、半田さんが帰って来るであろう時間に、昨日作ったチョコレートのセットを手にぶら下げ外で待つことにしました

すると案の定、少し疲れた様子でこちらに歩いて来ます
携帯電話をいじっているようで私には気づいていません

どき、どき、どき


すぅー……はぁぁ……と深呼吸を一つ。ここは女の度胸です!


「はっ、半田さん…!!」

「え?あ、苗字さん今晩は」

そういうと私の大好きな笑顔をくださいました

「こっこんばんは!あ、ああああの……!」

「……?」

「あの、お疲れの所をすいません……少し、お話良いですか?」

「ああ、大丈夫だけど……」

どき、どき、どき


緊張が走る。


「え、と……その……」

がんばれ!がんばれ私……!


「私……半田さんの事が、っ」

どき、どきどきどき

「好きです……!!よければチョコレートだけでも受け取ってください……!!!」


俯き加減にバッとチョコレートの入った紙袋を差し出す。かぁぁ!っといっきに顔が熱くなり目頭にも熱が集まるのがわかった。

受け取ってもらえたのが分かると一気に方向転換して自分の家の玄関に駆け込む




……ハズだった。体が進まない。恐る恐る後ろ振り向くと少し顔を赤らめた半田さんが私の腕を掴んでいた

彼は赤らめつつも真剣な顔で、真っ直ぐな瞳で私を見つめる。そしてそっと口を開いた


「今の、ホント?」


「は……はい……っ」


すると半田さんは目を逸らし顔を赤くして口元を手で覆い、その場にしゃがみ込んだ。

そして何故だか私の瞳からはぱらぱらと涙がこぼれる


「やっばい……」

「……っ」

「…………き、」

「えっ……?」


半田さんは行きなり立ち上がり私の肩を掴み真っ直ぐ私を見た


「俺も、好き」

「え……」

「好き」

「う、そ……」

「ホント。俺、ずっと苗字さんのこと好きだった……」


そっと抱き寄せられ ぽすっ、と半田さんの腕の中に私がおさまる

私の涙は止まらないままだ


「苗字さん」

「はっ、はい」

「俺と、付き合ってくれませんか?」


のそりと顔をあげ、半田さんの顔を見つめる


「ホント、ですか……?」

「ホントだよ」

「ホントにホント?」

「ホントにホント!」

「私なんかで、良いんですか……」

「苗字さんがいい、苗字んじゃなきゃダメ」

「……っ、よろしく、お願いします」


ぎゅううっと抱きしめられ私も抱き返す。そして半田さんの胸に顔を埋めた


「苗字さん、もっかい聞かして」

「好き、です……」

「うん」

「半田さんが好き……!」

「俺も好き」





それからお互いの温もりを感じるかのように親が帰ってくるまで長々と抱き合っていた。


(親に冷やかされたのは言うまでもない。)



barentain
 






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