たまらなく気まずい。……暫しの沈黙を破り抜いてみせたのは円堂だった。
「……村上じゃないか!」
「え、あ、うん……」
案外軽々と話しかけられたことに少し拍子抜けしたのと、少し安心した
ああいう雰囲気というのは苦手だったりするのだ。
円堂は座り込んだ私の隣に座ると話しを続ける
「最近図書室にいないけど、どうしたんだ?」
「え?あぁ……ここに来てたから」
「そっか!ここ気に入ったのか?」
「まぁ……。静かだし、誰もこないし、落ち着くから……」
これは事実だった。すると円堂はなんだか嬉しそうに満面の笑みをうかべる
まあよくいつもいつも笑顔でいれるんだか
「そっか……ここに来てたか……」
「何よ」
「何でもないっ!」
「ていうか、アンダまだ部活の時間でしょ。何やってんの」
思った事を直に伝えると円堂は顔を渋らせた。調子が悪いので部活を早退したらしいということ。
キャプテンが何やってんだか、と呆れもしたが、確かに少し様子も可笑しいので何かあったのだろう。
その事には触れないことにした
「……そういえば、何で私の事避けてるの」
「え……?いや、避けてるっていうか……ほら!お昼とか豪炎寺と一緒だろ?」
それと避けるとは訳が違うじゃない。だいたい豪炎寺は勝手に近くにいただけで…………あれ?なんで豪炎寺修也はお昼に私のところに来てたんだろうか
──「後は自分で考えろ」
まさかそれを言うだけではあるまい……。あまり考えない事にしよう。
深く考えていて気づかなかったが、隣から物凄く視線を感じる
なんだなんだと視線を泳がせているとぽつりと声が聞こえる
「今日は髪、しばってるんだな」
「暑かったから」
最近は気温も高く暑いため、こうして上の方で一つにまとめているのだ。俗に言うポニーテールだ
「そっか!すげー似合ってるぜ!」
にかっ!と歯を見せながら大袈裟なくらい笑顔をつくり、グッと親指をたてた
何なんだ、コイツは天然か?
……今更だった。
しかし誰に対してもこんなことを言いまくっているのだろうか。
ある意味危険人物である
「あんま、そういうの軽々しく言うもんじゃないよ。」
「ん?なんでだ?」
「はぁ……。」
まあこれも、彼の特徴であり、色んな人に好かれる理由でもあるのだろう
私には到底真似できない芸当だと思った
「んじゃ、帰りにアイス買ってこうぜ!」
「……は?」
私は彼に振り回されっぱなしだ。
(いつもと違う彼女に)(胸がドキドキしたなんて。)
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短い上にぐちゃぐちゃすいません……
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