「はぁ……。」


なんだか最近、円堂に避けられている気がする……。

といっても私から会いに行ってるわけじゃないからアレなんだけど。

でも明らかに避けられていた。廊下ですれ違う時はいつもなら飛び付く勢いで話かけてくるのに……最近はそれがないのだ。お昼も一緒に食べることはなくなった。


その変わりと言うのも可笑しいけれど、あの日以来お昼に中庭に行くといつも豪炎寺修也がいる。

特に話す事もなく、その場にいるだけだけど。


「溜息なんかついてどうしたんだ」

「えっ」


だから今話かけられた事に心底驚いてしまった


「そんな驚くとこか?」

「いやっ、話かけられると思わなくて……」


私は正直言うと人と話すのが苦手だ。異性なんかは特に。私の手は手汗でびちゃびちゃだろう


「そうか」


豪炎寺修也はフッと苦笑いを浮かべる

……沈黙が痛い。なんか凄い見られてる気が……めちゃめちゃ視線がささってますけどおお


「円堂か?」


ピクリ、と私の肩が跳ねる。「な、なんで……?」と震えた声を無理矢理押し出す


「最近、円堂がお前の話しをしなくなったんだ」

「そ、そう……」

「おまけにテンションもだだ下がり」

「それが、どうしたの?私に関係ないじゃない……」


拳をギュッと握りしめ俯く。

だってそうじゃない。私はアイツが嫌いなんだから。アイツが勝手に私に付き纏ってきただけで……。

気づいたらアイツのことばっかり考えてて……、ほんと馬鹿みたい。


「お前は、円堂のことどう考えてるんだ」

「そんなの、嫌いに決まってるじゃない。あんなやつ、大嫌い……」

「俺にはそう見えないな」

「は……?」

「円堂と村上が一緒にいるようになってから、変わったように思える」


確かにその通りだ。でもそれがなんだといるのだろう。


「気づいた時には円堂の事を考えていたりしないか?」

思わず目を見開き「だったら何よ!」と言い放つと豪炎寺はフッと微笑む。そのドヤ顔きらい。


「後は自分で考えろ」








私はその後も沢山考えた。人生で初めてサボタージュなるものをして。


放課後、いつもの鉄塔広場に行く。


すー……はー……


深呼吸で気持ちを落ち着かせ、ベンチに座り読書を開始する。


しかしお昼の事が頭の中を巡り、読書所じゃなかった。


「あ゙ー!もう!なんなのよ!!」


キーッ!と鬱憤を晴らすように木にぶら下げてあるタイヤを思いっきり蹴る


「いっっ……たぁ……!」


タイヤは予想以上に固くて重かったため、衝撃が足に響いた

その場に座りこみ、膝をかかえる。


「もう……っ」

なんだか泣きそうになった時、後ろからカサッと音が聞こえ、慌てて後ろを振り向く。


そこには目をおっきく開いた円堂がポカンと突っ立っていた


「え、えんど……」




「なんで、村上が……?」




(何が何なのよ)




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