先日から私は放課後、天気の良い日は高確率で鉄塔広場に行っている。

あの場所はもう私にとってお気に入りの場所となっていた

あそこは気持ちの良い風が吹き、とても居心地がいいのだ。

最近は1匹の野良猫がよく居て、その子に会うのも1つの楽しみだ


そんな気持ちを抱え学校へ行く。放課後が楽しみで仕方がない。


円堂といえば相変わらず私に付き纏うが不思議と嫌ではなかった。たまに鬱陶しいけれど。お昼もなんだかんだで一緒だ

だから最近は一人で居ることが割と少ない。

しかもなんだか周りの人が私に話かけて来るようになったのだ。
先日隣の人にノートを貸してあげたときの話だけど


「村上さん!ノート貸してくれない?」

「あ、ど、どうぞ……」

「ありがとう!」

「そうえばなんか最近村上さん変わったよねー、雰囲気良いっていうか、近寄りやすなったみたいな」

近くにいた女の子が言ったのだ。人と話す事が増えたのは確かだった

「確かに!前はなんか近寄りがたかったよねー。隣のクラスの円堂くんと一緒に居はじめた頃からじゃない?」

「あ、そうかもー!」


つまり、私は彼のお陰で変わっていっているらしい。良いこと、だと思ってもいいのだろうか……






そういう事もあって今日はなんだか気分がよかった。

そんな晴れた気分で中庭に向かう。円堂は用事があるとかで後で来るらしい




しかし中庭ついた時には、いつもは居ないはずなのに今日は先客がいた。

男子生徒が数名。今日は先客もいるし、どうしようかと思考を巡らせていると話し声が聞こえてきた。


「あーマジだるいわ」

「ホントだよなぁ、まじやってらんねー」

「つかなんで俺らがこんな事しなきゃなんねえんだよ」

「あのセンコーいちいちうっせっつーの」


花壇をいじっているあたり先生頼まれたのだろう

すると数人いるうちの一人が何を思ったのかありえない発言をする。


「つうかもう花壇荒さね?」

「うわお前あったまいいな」


3人の男子生徒はそれを合図に花壇を荒らしはじめたではないか


ある花は踏まれ、
ある花は折られ、
ある花はちぎられ、
ある花は引っこ抜かれるなどそれはそれは酷かった

花壇の花も癒しの一つで、大好きだったそれをめちゃくちゃにされが腹がたち、その場に飛び出る


「や、やめなさい……!!」

「あ?なんだお前」

「貴方達がなんですか?!花壇をこんなに荒らして……酷いじゃない!!」

「は?お前には関係ないないだろ?」


恐怖から体がぷるぷると振るえ、足なんかはガクガクしてしまっている。でもここは引くわけににはいかない、それほど許せなかった


「関係あるなしとかそういう問題じゃないでしょう……!?」


一人の生徒が私の前まで来る。私なんかよりずっと背が高く、上からギラリと睨みつけられる


「な、なによ……っ!!?」


言葉を走った瞬間、胸倉を掴みあげられ、顔が近くなる。とても怖い顔をしていた。今にも泣き出しそうである

私はやめて、と暴れる。ひょうしに私の手が彼の顔に当たってしまった


「てんめぇ!!!」

「いやっ……!」


手を振り上げられた瞬間、私は叩かれるんだと覚悟し目をギュッとつむる



しかしなかなか痛みがこない。恐る恐る目を開けば、誰かが男子生徒の腕を掴んでいた。するとその人が口を開く


「何をしているんだ」


それはすごく鋭かった。声が中庭にこだまする。



(私を助けたのは、)(誰……?)




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