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人間のあらゆる心理状態や性格傾向を計測する値"PSYCHO-PASS"
人々は日々犯罪係数を計測されている。
サイコパス判定により社会から弾かれた人間は潜在犯とレッテルを貼られ隔離され時には排除される。
そんな人間の中から運良く選ばれた私たち執行官。


人々は私たちを皮肉を込めてこう呼ぶ   "猟犬"と




* * *




『え、新しい監視官ですか?』
「そうだ、明日からお前達に新しい飼い主ができる。くれぐれも粗相を犯して飼い主に迷惑をかけるなよ」

そう言って宜野座は自分の仕事を再開させる。
庁舎の刑事フロア、厚生省公安局で捜査の実動を担う刑事とその執行官の監視・指揮を行う監視官が集まるところ。
今日は珍しいことに非番の者が居なく刑事課一係の全員が出勤している。
朝の報告が終わり各々が仕事を始めるなか、名奈は一人ごちた。

『一体どんな方が来るんでしょう?』
「そりゃあ、やっぱカワイ子ちゃんでしょ」
『どんな方か知ってるんですか』
「んーん、知らない」

会う前の監視官を想像して口元を弛める縢に思わず笑ってしまう。
年齢的には年上なのにこうして新しいことに真っ先に飛び付く所がどうにも子供っぽくて可笑しくなってしまう。

「あ、笑ったな。でもさどうする?めちゃくちゃ厳ついおっさんが来たら」

思わず名奈はその姿を想像する。
厳つい顔をした男性が此方を見下しながら自分達のことを猟犬扱いするのだ
微かにおこる身震いにそっと体をこする。

『嫌ですね』
「でっしょー、だからどうせ来るなら美人さんがいいっしょ。名奈ちゃんみたいなね」
『え!!』

縢の発言に名奈はおもわず顔を赤らめる。
そんな名奈見て縢は依然ニコニコしている。
人をからかうのが好きな縢としては名奈恰好の餌食になってしまう。

『もう、縢くんからかわないで下さい』
「だって名奈ちゃんからかうと面白い反応してくれるから」
『それを言うなら弥生ちゃんの方が美人です』
「え、それは無いよ。あんな無表情の何処が美じ…イテッ!!」

いきなり奇声をあげる縢に何事かと彼の上を見ると六合塚が雑誌を丸めて立っている。
縢がビックリした顔で六合塚を見るとそこにもう一発お見舞いされる。

「何だよ、いきなり」
「.........」
「ムシかよっ」

これもいつもの光景だ。
叩かれたことにブツブツと文句を言っている縢に何事も無かったかのように席に着く六合塚、そんな光景に名奈は思わず頬を緩める。
するとそれを見た狡噛は不思議に思い名奈に声をかけた。

「どうした?」
『いえ、こういうの良いなって思って』

執行官も監視官の仕事も"平和"という言葉からはかけ離れている。
そういった意味では名奈にとってこういう時間は本当に嬉しいものなのだ。

「そうか」
『はい』
「………久しぶりにメシ一緒に食うか?」
『いいんですか、狡噛さん?』
「あぁ、ゆっくり出来る時間なんて、なかなか無いしな」
『じゃあよろこんで』

だから今しばらくはこの平穏な時間に身を預けて






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