code 26


陽が沈みかけ、街全体がオレンジに染められるなか、一係五人はとある公園に来ていた。

そこには本来公園にあるであろう長閑で穏やかな空気は流れていない。

子供の楽しげな声の代わりに、ドローンの行き交う音。
そして人々の目を引くのはホロで作られた綺麗な風景−−ではなく飾られる一体のオブジェ。


しかしそのオブジェは明らかに異様だった。
何故ならそのオブジェの材料は人間。


身体中を切断され可笑しな位置に飾り付けられている。
死体である筈のそれは腐臭を発する訳でもなく、肌の質感は人間のそれではない。

その存在自体が残虐という言葉を体現していた。
だが、その残虐性の中には確固たる美しさが存在する。




「二件目か」

宜野座が小さく呟く。
そんな彼の呟きを訂正するように六合塚は口を開く。

「これが藤間幸三郎の犯行なら六件目ですよ」
『弥生ちゃん…』

その言葉に意見を添える者は誰も居なかった。

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