code 17
『久し振り…って程でもないでしたっけ?』
『ここ最近は随分頻繁に来るようになりましたね』
『外の世界はそんなに濁っているんですか?』
『まぁいいや、僕が片付けてあげます』
『大丈夫。あなたはいつも通り此処にいるんだけでいいんですから』
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狡噛は撒き散らされるスプリンクラーの中で自分の迂闊さを呪っていた。
『離して!』まさか御堂が名奈を人質に取るとは考えていなかったのだ。
二手に分かれて捕らえる作戦がとんだ裏目に出てしまった
但し今回の捕獲が完璧に失敗になってしまったかと云えば、そうではなかった。
寧ろこうなった事で御堂が捕獲される可能性は上がっているとも言える。
狡噛が最も最悪だと思える手段により…
ジジッ
征陸のホログラフ対策により徐々に薄れていく内装ホロ。
それが晴れたのと同時に狡噛は御堂が立っているであろう所にドミネーターを向ける
するとそこには、
「な、何なんだ!」
片腕を千切られた御堂と
『……』
その上に馬乗りになる名奈。
(!クソッ、手遅れだったか)
狡噛はドミネーターの標準を御堂から名奈に合わせる。
名奈のサイコパスが完全に同化していない事を願いながら…
=犯罪係数299 刑事課登録執行官任意執行対象です=
もう一度とでもいうようにその手に持ったナイフが高々と持ち上がる。
今度は明らかに心臓を狙っているそれ
=セーフティを解除します=
させてはいけない。
名奈の罪を裁く意志が介在しない所で彼女が誰かを傷付けるのを見過ごす訳にはいかない。
パシュパラライザーが当たり名奈が気絶する。
すると解放された御堂はたちまちにどこかへと逃げていく。
狡噛も慌ててそれを追うが虚しくも非常階段に入ったとこで見失ってしまった。
下を向くとそこには生々しい赤。
血液が点々と下に行く階段に跡を残しているのだ
この跡を辿れば直ぐに犯人に追いつくことは一目瞭然だった。
「痛覚遮断ドラッグか」
「あの怪我なら逃げ切れない。
あとは宜野座達に任せよう」
しかしこの場にいる誰も深追いはしなかった。
あれだけの重症を追っていれば痛くなくとも精神的にやられていると皆が確信していたからだ
「にしても派手にやったな」
「あぁ。」
「まさか腕を引きちぎるたぁ、最近度合いが酷くなってないか?」
征陸がふと後ろを振り返る。
その視線の先にはパラライザーにより気絶させられている名奈
征陸が言っているのはどちらの事かと狡噛は考えながら名奈を背負う。
考えうる一つとしてこうしてサイコハザードを起こす回数である。
今までは数える程しか起こしていなかったがここ最近は異常な頻度で起きている。
単なる偶然か、それとも意図して起こされているか…
それも分からなかったがもっと分からないのは暴走した時の名奈の状態だった。
「な、何なんだ!」
『……』あの時名奈は確実に笑っていた
まるで殺すのが相手を痛めつけるのが楽しいとでもいう様に…
(見間違いだといいんだが…)
狡噛は感じる名奈の体温がいつもより低く感じた
それを認めるのが怖くて名奈を背負う手に少し力をこめた。
(垣間見る、貴女の二面性)
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[mokuji]
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