更新したいけどできない
2012/12/30 08:24
「佐々山さん…」
「……」
煙草の灰が重力に従って落ちていく。
「ごめんなさい」
「! 何故謝る?」
「佐々山さんを殺したのは私です」
あの時の背中が、そっと抱きしめながら大丈夫だと力強く笑った顔が思い出される
あれが自分の見た彼の最後だった。
次に彼を見た時、それはもう酷い有様だった
生きていた彼を見たのはおそらく自分が一番最後だ
だから余計悲しかった
彼を止められなかった自分を情けなくも思った。
それでもただ一つ、不思議なことに一番に感じるだろう感情が抱けなかった
「お前は悪くない、いつもそう言ってるだろう」
「…はい」
「そんなに苦しむならお前は捜査を辞めたって…」
「それは嫌です! お願いです
狡噛さん。私にもやらして下さい」
「……」
「あっ…」
名奈は反射的に口を抑える
「すいません、ついムキになって…」
「気にするな、怒っちゃいない」
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