キュベリオスが鞄の中にいることに気付いたコブラは、その場で『仕方ないな』とばかりに艶やかな鱗が光る顎下をくるくる撫でた後、街中の喧騒から離れ、ワンブロック先にある公園まで急ぎ足で移動した。

 狭い鞄の中から首を出してぷわっと一息吐く。爬虫類のキュベリオスは、狭いところ、暗いところが大好きではあるが、『騒がしいところ』はどうにも苦手だ。
 少々息を切らせながら噴水の脇にあるベンチに腰を落ち着けると、コブラはそっと傍らに鞄を置いて、その中へ手を差し伸べた。ひやりとした鱗の感触が指先にまとわりつき、するすると手の甲を通って手首に巻き付く。するとゆっくりと揺らさないように、コブラの視線まで持ち上げられ、もう一方の手で先刻と同じように優しく背を撫でられた。
「こら、キュベリオス。勝手に入るなって言ってるだろう?」
 咎める内容なのに、そのうちに含まれている声は甘い。その甘さにキュベリオスは鎌首を擡げてこくりと首を傾げた。
「おい、可愛い仕草で誤魔化すなキュベリオス。」
 眉をへの字に曲げたって、怒ってるんだぞという表情を浮かべられたって、心の声を訊くことの出来る自分には、コブラの本心を訊き取ることなど造作もない。
 声もなく、『愛しい』という心を伝えてくるコブラの心に、キュベリオスは安心したように身体を伸ばして、今度はすぐそばにある彼の首へと巻き付いた。

 とくんとくんと甘やかなリズムで打ち響く鼓動が、先刻あの金色に会ったときだけ不規則に乱れていたなんてこと、彼には自覚症状はないのだろうけど。
 そのときの彼の心の波長が、自分へ向けられるものと酷似していたことを思い出して、キュベリオスは更に甘えたようにコブラの頬へと身体を擦り寄せた。


***
夜来礼讚:稲荷ギンカ様より頂戴致しました!!

〜〜〜っ…き、きゅーちゃっ…(声にならない喜び)
死因、萌え死ってあるかもしれない。
いや、なくてもいいです。
とてつもなく幸せな気持ちになりました…!!!
こぶきゅるー(嬉涙)
稲荷さまーーー!!
大好きですっ!
memoして良かった。
goodjob自分。
なにこのこぶら。
乙女過ぎて可愛すぎるv
あの声で?あの素敵な声で「こら、」って言っちゃうの?きゃー!

稲荷さま!
本当に本当にありがとうございました!!
ゆんは幸せです。


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