光る金糸が陽を浴びて、ふわり、と揺れる。
琥珀に浮かぶ光は強い意志を携えて輝いた。
心からの笑顔が見たくて。
真剣なその眼差しを独占したくて。
消えそうに揺らいだ時の流れに逆らって。
一秒、一瞬を共に過ごしたいと唯只管に願う―――。
「ね、これどうかな?」
くるり、と回って試着した服を見せるルーシィ。
普段とは異なって露出し過ぎず、覆われ過ぎないワンピースに思わず口元が綻んだ。
「うん、可愛いよ」
ふにゃり、と微笑んで用意していた言葉を口にして。
わかりやすい程にぱっと喜ぶその姿が一層愛らしく感じる。
買ってくるね、と選んだ服を手元にカウンターへ向いた背をふわり、と包み込んで。
ぴくり、と震えた肩に笑みが零れた。
「僕からの、プレゼントにさせて」
そっと耳元へ囁いて、滑るようにその手から服を受け取る。
ゆっくりと朱に染まる頬。
小さく呟かれた声に胸の内が暖かくなった。
店を後にして、通りへ出た頃には夕焼け空が広がっていて。
肌寒さを感じさせる。
「どこか入る?」
紙袋を片手に首を傾げれば、少しだけ困ったように眉を下げて。
くすり、と笑みを零したルーシィが空いている手を掬うように繋いだ。
「早く帰りましょう」
眼を細めて嬉しそうに笑うその表情に、声を失って。
緩く引くその手に惹かれるままに歩を進めて。
ふわふわと靡く金糸を目で追いながら繋がれた小さな掌を包み込む。
同時に軽く引いて傾いた身体を腕の中へ抱き止めて。
瞑った瞼の上に口付けをひとつ。
「ねぇ、ロキ」
悪戯に微笑んで、背伸びしたルーシィが柔らかく触れて。
たった一瞬、掠るように合わさった唇に時が止まった。
指先から言葉で伝えきれない想いを飾って。
溢れ出る愛しさを互いに伝え合う―――。
fin.
***
Open Me!:ぎゃら様へ
*0729*
お誕生日おめでとうございます**
以前20000打企画にアンケート頂いた`ほんわかお洒落なロキルー`を目指して愛を伝えてみようと思います。
だけど、お洒落さが感じられずにどうしようか数秒迷い迷って。
愛を!愛だけを精一杯盛り込んでぎゃら様へ。
素敵な1日であったことを願って。
これからの1年もまた健やかでありますように。
おめでとうございましたー!
レグルス【(ラテン)Regulus】
《小さな王様の意》獅子(しし)座のα(アルファ)星。黄道上にあり、明るさは1.3等の実視連星。距離は70光年。
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