01.例えば君がいなくなったら【N*L】

「ね、あたしがいなくなったらどうする?」

ルーシィがさらり、と靡く金糸を撫でながら笑った。

「ルーシィどこか行くの?」
「違うわよ!例えばの話よ」

魚を両手で押さえて首を傾げる子猫に答えてもう一度、視線を合わせてくる。
ね、と屈託ない笑顔が瞳に焼きついた瞬間、

「いやだ」

遠い過去が迫ってくる気がした。

「くだらねぇこと言ってんな」

仕事行くぞ、と不機嫌を隠すでもなくその手をしっかりと握る。


02.痛みを伴う予感【G*L】

「ね、コレどうかな?」

大層楽しそうに広げて見せるキャミソール。

「いいんじゃねぇの」

可愛い、と評価すれば満足気に笑みを浮かべるルーシィ。

「これで色気がないなんて言わせないわ!」
「は?」

買ってくるね、と浮足立った背を眺めながら言い知れぬ不快感を吐き出す。

「なるほどね」


03. 平気じゃないのはたぶん僕【L*L】

ロキがいなきゃだめ…―――。
いつかの君の可愛らしいお願い。


『絶対、あたしの元へ帰ってくるのよ!絶対よ!!』


そんな必死な顔して言わなくても大丈夫だよ。
だって、君がいない世界で僕は生きられない…―――。


04. 想う数だけ聞こえる音色【C*C】

「あ?」
「…なんだ?」

突然声を出した俺にエンジェルが首を傾げた。

「いや、なんでもねぇ」

ふ、と笑みを零して擦り寄って来る愛しいその背を撫でてやった。

(聞こえてるさ、ちゃんとな…―――)


05. ご褒美=君【H*L】

「助かっちゃった」

ありがとう、と微笑むと爽やかさに色気漂う笑顔が返された。

「女性には紳士なんだ」
「…それにしても皺ひとつつかないなんて」

さすがね、なんて眉を顰めてスーツを眺めているとくすり、と笑みが零される。

「な、なによ…」
「いや、可愛いなぁと思ってね」
「あ、そう」
「釣れないね」

苦笑しながら伸ばされる手をするり、と避けて、

「誰かさんで慣れてるのよ…あ、お礼」

しなきゃ、と口を開いた瞬間、手の甲に触れた唇。
腰を折ったその姿勢が妙に様になっていた。

「な、なに…っ!?」
「うん、確かに頂きました」

にっこりと悪びれずに向けられた笑顔。
口をぱくぱく動かして言葉にならない言葉を紡いでいる間にくるり、と背が向けられる。

「続きはまた今度、ね?」

甘さを含むその声に熱く染まる頬を押さえた。


***
お題使用:恋したくなるお題

捏造も良いとこだ、と思いながらなかなか楽しかった。
特にヒビキ。
思わずちょっと長くなっちゃった。


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