昨日は特別な日でも何でもなかった。

前の日は、最近ずっとチームで行動してたグレイもエルザも単独の仕事があるとか言うから、ナツはハッピーと、ルーシィを誘って仕事に行って。
大きな失敗もなく終わった帰り道はルーシィの機嫌がよかったし、ナツも気分がよかったから、昨日は一日、ギルドでみんなと騒いで過ごしてた。

もちろんそこにだってルーシィは一緒に居たけれど、ちょっと買い物したいからと、昼を過ぎてすぐ帰ってしまった。

――その後にルーシィと、何か約束してたわけじゃない。

だからナツがそのままギルドで夜まで騒いで、真っ直ぐ家に帰っても。
ルーシィを怒らせる理由は、どこにもなかったはずなのに。

今日はルーシィがギルドに来なくて、どうかしたのかと様子を見に来てみれば。

いつも通り窓から部屋へ上がり込んだ途端に、なぜか枕が飛んできた。

「……いきなり何すんだ、あぶねーだろ」

「うるさい! い、いつもは呼ばなくたって勝手に来るくせに、なんでっ……」

「は? てか、ちょっと落ち着……」

ぺしぺしとさらにルーシィが投げてくる、ゴミ箱の中から拾い出してるらしき丸められた紙くずは、そう痛くはない。
……痛くはないが、さすがにうっとーしい。

「もー、帰ってよっ。ナツのバ……っ」

「――だっから落ち着けってんだろルーシィ!」

「うきゃああぁ!?」

いい加減いらついてきた勢いそのままに、ナツはルーシィの腰と脚とを抱えて持ち上げた。

「……落ち着いたか?」

「〜〜〜……ッ、」

すぐ下から見上げる形でルーシィの顔を覗き込んでやれば、はくはくと口だけが動いている。
さっきまで怒りで赤かった顔は、今はうろたえた表情で、耳まで赤く染まってたけれど。

……とりあえず、静かにはなったらしい。

「で、なんで怒ってたんだよ」

その体勢のまま眉根を寄せて訊いてみる、と。

反対にルーシィのほうは眉尻を下げて、ぎゅう、とすがるみたいにナツの首へ巻かれているマフラーの縁を握り締めてきた。

「…………おととい、……」
「一昨日?」

「……二十回目だった、の」

「二十……って、何が」

「な、ナツと……ハッピーと、あたしで、仕事行ったの……」

数えてんのかよ、と呆れ半分くすぐったさ半分でナツは苦笑する。
確かにナツも、ルーシィと行った仕事の痕跡を取って置いたりしているけれど。

ルーシィは、一つ理由を明かしてしまえば、それで箍が外れた様子で。
マフラーをつかんでたルーシィの手が今度はナツの肩まで伸びて、首にしがみついた。


しばらくみんなで仕事に行ってたから、三人で行く仕事自体、久しぶりだった。

それに珍しく損害ゼロで、報酬も減らされなかったし、なんだかキリもいいなと思って、

だから、――――


「……お祝い、するのもいいかな、って……、……待、ってた、のに、」

昨日に限って、ナツが部屋に来なかったから。

――あたしだけ浮かれちゃってバカみたいだって、思って、


首元にしがみついたまま顔を伏せて、ぽろぽろと小さな声で落とされた想いは。

どれも取り零すことなく、ナツに届いて。


「……んだよ、言えばよかっただろ、」

「言わなくても来ると思って、たんだもん……」


それだけ、いっしょに居られることが。

もう――当たり前だった。



とりあえず、これからやるんでもいいだろ、と提案すれば、顔を上げたルーシィは笑ってくれたから。

ナツもつられて笑ってから、彼女の身体を腕から降ろす前に思い切り、ぎゅっと抱き締めた。


――いっしょに居られる君との奇跡、いっしょに過ごした君との軌跡。
***
コンペイトウ*プラクティス:ナギハラ ミズキ様より200000打と2周年のお祝いに頂戴致しました\(^^)/

この超絶忙しい年末年始をどうにかこうにかクリアできたのは一重にナギさんのナツルのおかげでした…(´;ω;`)
くるくる回ったカウンターありがとうありがとう。
二周年目も捉えたまま離さないでいてくれたFTありがとう愛してる。

記念品好きななっちゃんは元より一緒に行った仕事の回数を数えているルーシィに愛おしさが込み上がってもうどうしよう。どうしよう…っ!!

`もう――当たり前だった。`の行が心臓鷲掴みにして苦しいです。
もうもうナギさんは、ゆんの好きなナツルーをいつもいつもピンポイントで提供して下さって……。
幸せ過ぎて嬉し過ぎてどうしたらいいのか悩む。
このお礼は必ず!!! グレルエロでお返し致します(`・ω・´)b

何度伝えても足りないくらい大好きですー!!!らぶ!!!
本当に本当に、ありがとうございましたーーー!!!


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