伸ばした手は宙を掴んで、空を切る。
次々に仲間たちが消えていく恐怖を目の当たりにして。
縋るように呼んだ声は、もしかしたらずっと彼へプレッシャーを与え続けていたのかもしれない。
必死に叫ぶルフィの顔が、行動が、瞳に焼き付いて―――大切な人を失わないように、傷つけさせないように、無茶ばかりするその姿があまりにも痛々しくて喉が詰まった。
離れ離れになって、手の届かない距離を強く感じて。
伝えたい想いも支えたい願いも、すぐに叶えることが出来なくて。
こんなにもこんなにも無力だと涙を流すことが再び訪れるなんて。
もう二度と、ないと思っていたのに。
ルフィがいるから。いたから。
だからこそ、先に延ばされた約束の証は新たな想いを強く決意させる。
今度は、心細い想いなんてさせないように。
どこにいても安心していられるように。
行きたいと望む場所へどこへでも連れていってあげられるように。
もっともっと強くなって、守ってあげなきゃ。
そう誓って過ごした日々は、決して短くはなくて。
けれど、そんなに長くも感じなかった。
二年ぶりに降り立った約束の地は変わらず漂うシャボンに包まれていて。
思い出深くて、胸の奥をつきんと痛ませる。
それでも、再び会える期待に心が逸って。
片時も忘れられなかった麦わら帽子を無意識に探しながら変わらない仲間たちの笑顔につられて笑った。

ねぇ、会いたかったよ。
触れたかったよ。
温度を、感じたかったよ。

予想を裏切らない慌しい再会の後、掴まれた腕は力強く引かれて。
まるで確かめるように何度も何度も抱き締められる身体は徐々に熱を帯びていく。

「っ……やっと会えた」

耳元で囁かれた声は懐かしいようで、どこか初々しかった。
呼応するようにその背へ腕を回せば、満たされていく想い。

また、もう一度。
この海で出会えた奇跡。
二度と失わないように側にいよう。


つだって
わらず想ってた


fin.
***
《ONEPIECE》

今更ルナミに頭ぱーんてなった。


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