「うーあーもー、さむいぃぃぃ」
今朝はきっとこの冬一番の冷え込みに違いない。
さすがに薄着はムリだとタートルネックのニットを引っ張り出した。
ジャケットも軽めのダウンを羽織る。
とはいえ、下はミニのプリーツスカートとニーハイソックスで、太腿だけは曝していたりするのだけれど。
「う〜〜〜!」
「何うなってんだルーシィ」
「あい、怪獣みたいだね」
ナツとハッピーとで仕事に向かう道すがら。
寒さに耐えてるのは、ルーシィだけだった。
「誰が怪獣よ。寒いの!」
「んあ? 寒ィか?」
「ていうかアンタはいつも通りの格好すぎて余計寒いわよ」
この天然カイロな炎の滅竜魔導士には寒さとか関係ないのが、今日ばかりは恨めしい。
それで言うならグレイもそうだけれど、あっちは一応それなりに厚着してたりもするから、脱がれない限りはつられて寒い気分にならなくて済む。
――まぁとにかく、寒いのだ。
冷え込むツラさを分かち合えもしないし、ひたすら声でも出して紛らわせるくらいしないとやってられない。
「んー」
しかし気付くとナツまで小さく唸っている。
首を傾げながらのそれに、どうしたのかとルーシィが訊く前に。
「ん、」
「わぷ」
ぽふんといきなり口元へ何かが押し付けられて。
それから、ぐるっと暖かい感触が巻きつく。
「は、ぇ?」
こっちへ伸ばされてたナツの両手が離れたのと入れ替わりに、ルーシィは首も口元も隠れるくらい大雑把に巻かれたそれを軽く指先で引っ張る。
……ナツがいつもしてるマフラーだった。
「貸してやる」
にかりと笑う顔は楽しそうで。
「……いいの?」
ナツが一番大切にしてるものなのに。
「おー。ルーシィだしな!」
トクベツだ、とまた笑う。
「……あり、がと」
頬が赤くなってる気がした、けれど。
きっとマフラーに埋もれてて気付かれてない……はずだ。
でもね、どうせなら。
「……ナツ」
「ん?」
再び歩き出した背中に呼びかければ、見慣れた顔が振り返る。
「手も冷たい」
「ははっ、ワガママなヤツだなーオマエ」
「だって冷たいんだもん」
マフラーに口を埋めたまま、隣に並んで拗ねたようにそう返せば。
もう一度笑って、ぎゅっと手のひらを熱いくらいの温度が包んでくれた。
「でぇ〜き〜て〜るぅ〜……」
「……うるさいわよ、ネコ」
ニヤニヤとイヤな笑みで後ろを付いてくる青い猫に、一言だけ突っ込んで。
それでも、寒い日も悪くはないか、と思ってしまった自分は――結構、単純かもしれなかった。
***
コンペイトウ*プラクティス:ナギハラ ミズキ様より100000打祝いと1周年祝いに頂戴致しました◎
ぐっじょぶ1周年!100000打ありがとうありがとう。
こんなに素敵なナツルーが頂けるなんてゆんは幸せ過ぎます。
しかもナツの大切なマフラーをルーシィに貸してあげるのとか…!
くあっと。カッとなりました。
しかもほのぼのとした冬の日がすーっごく心温まります。
ほわほわと癒されました。
ナギさんのグレルも勿論愛してるけど、レア中のレアであるナツルにっ…!
愛が溢れて呼吸困難になりそう。
未だ興奮冷めやらぬ感じですが、大事な物を触ってもいいと許される存在なルーシィにときめいて抱き締めたい勢いです。
素敵過ぎるお祝い品をありがとうございましたーーーっ!!!
大好き過ぎます…!!!
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