「おはようございま………え…?」
「おはよーvv」

学校が終わりいつものように入ったバイトで。
2、3日前に新人が入ったってことは聞いてたけど。

「………なんで…こっちにいる…っ?」
「えーー?
 だって、こっちにいたほうがルーシィと話せるんじゃないかってv」
「……っ」


聞いてない。
こんなのは聞いてない。
この人は本当に…っ
どこまで信じていいのか全然わからない。

いつもお客として来ていたロキは近くの大学生で。
ココはちょっとおしゃれなカフェで。
あたしはホールの接客係。
はじめは本当にからかわれていると思ってた。

でも。

あまりにもいつも同じ時間に来て。
あまりにもいつも話しかけてきて。
今までお嬢様学校に通ってて、お世辞にも男性との付き合いが多いと言えないあたしは。

…ちょっともしかしたら、なんて思い始めていた。


でも。

これは……



「なーんて、ちょっと急にオコヅカイが必要になっちゃったんだv」

「あ…そ、うですか。」


半分ホッとして。
半分ぽっかりとした気持ちになって。
…なんだかもやもやするじゃない。


「あ、一応ある程度は聞いてるけど、まだ新人なんでフォローよろしくv」

「え、あ、はい」


なんて言ってたロキなのに。


「〜〜〜〜。。
 全然、あたしのフォローなんていらないじゃない。」


スマートにお客様の案内をし、完璧にオーダーをとり、すっと提供してレジを打つ。
まさに鮮やかとしかいいようのない動き。
しかも、甘い笑顔で整った顔立ち。
もう既に固定の女性客がついているらしく、奥のスペースでロキが動くたび黄色い声が聞こえる。


「え〜?
 そんなことないよ?
 ルーシィみたいにメニュー全部覚えてないし。」

「…それでもちゃんとオーダー取れてるからいいじゃない。」


それなりに繁盛しているお店なので、会話らしい会話はすれ違う時で。


「明日は入ってるの…?」
「明日は学校で用事があるから」
「なんだ、残念。」


そんな会話をする。


「ねぇ、ルーシィ…?」
「…?」


ちょっとだけ落ち着いたあたしの終了時間前


「こんどデートしようね?」
「………!?」


ロキの突然の爆弾投下。


「…っ」


もう少しホール内を片づけてから帰るつもりだったのに。




…熱くなった顔のせいで、帰らざるを得なかったのはココだけの話。









END

設定&レイティング&お題
アルバイト先の先輩後輩(社員含)/ほのぼの/すれ違いざまに

***
あまりの素敵シチュエーションに設定を頂戴させて頂き、恐れ多くも楽しく後話を書かせて頂きました。
微妙なR15でお送りしております。

うたみさーん!
素敵なお話を本当にありがとうございました!!


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