私は空野葵と仲がいい、というか親友である。
中学に入ると同時に転校してきて友達もいなかった私に最初に話かけてくれたのが彼女であった。まあ、そんな話はさておき葵はサッカー部に入ったらしい。私はめんどくさいので部活には入らなかったが葵に付いてよくサッカー部に顔を出している。そのためサッカー部の皆さんとは顔見知りである。

今日は補習があったのでサッカー部には顔を出せなかった。補習も終わり帰ろうとしたのだが外は雨が降っていた。
(朝天気予報確認してきてよかったぁ)
そう思いながら私は傘を開いた。
ふと横に気配を感じ、顔を動かすと、輝君がいた。
輝君は隣のクラスだけど、私がよく忘れ物をするので借りに行ったりして仲がよい。輝君は忘れ物とか滅多にしなくていつも用意周到である。こないだなんか私がこけた時に絆創膏をくれたりした。女の私でさえもってないのに。それから…キリがないけどとりあえずいつもしっかりしてるっていうのは確かである。

「輝君じゃん、どしたの?」
私が声をかけると輝君はこう言った。
「傘、ないのでいれてもらえませんか?」
「いいけど…珍しいね忘れ物なんて」
降水確率0%でも折り畳み傘を持ち歩いてるような人なのに。

「だって…」
「ん?」
「だって…あなたと相合い傘をしたかったから」

数秒間理解できずに固まっていたが、意味が分かると顔が熱くなった。

(やっぱり輝君にはかなわないや)




このあと2人がリア充になったのは言うまでもない。












用意周到
準備が行き届いており、
手抜かりがないこと







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