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「考え事かい?ひどいな
ぼくはこんなに婉蓉に奉仕しているのに…」


クスリと笑いながらもその瞳は熱で染まり、いつもよりも濃い色をしていた。


じっと見詰め合っていると、中に納入された指がクチュと音を立てながら出し入れされる。
卑猥な水音が耳に届き、恥ずかしさの余り目を瞑れば、花王が耳へと舌をねじ込む。

秘部の水音と耳からの水音。
いったいどちらのものなのか、もはや婉蓉には聞き分け出来ない。

けれど、施される愛撫をやめて欲しくなくて、キュと花王の首筋に縋りつく。
そんな婉蓉を可愛く思い、耳に齧り付く。


『きゃッ!』


ビクリと婉蓉の身体が大きく震えた。
その反応を嬉しく思い、新しい玩具を得た子供の様に花王は笑った。

またあの声が聞きたい。
そう思った彼は、耳に口付けながら甘ったるい声で囁いた。


“初めてなのに、随分と感じやすいんだね”


かっと身体が赤く染まり、震えた。

耳一つでこんなにも彼女の愛らしくも淫らな姿が見れる。
そう思うと口元が緩んで仕方がなかった。

彼女の声や反応をもっと楽しみたい。
そう思い立った花王は、起き上がり彼女を膝上に抱き上げた。

腕にすっぽりと納まる身体は、折れそうな程に細くて柔らかい。
何より甘い香りがした。
その香りに導かれ、耳に口付けを落としながら、彼女の身体を酌まなく触れる。


口付けを落とせば声を上げ、指を這わせば身体を震えさせる。
面白いほどに自分の思うがままに反応を返す身体に、花王は酷く溺れた。

そして初めて与えられる快楽に、婉蓉もまた堕ちていった。








『…あん、あ、やッ…も、やぁ…』


強すぎる秘部への愛撫に、婉蓉はいやいやと首を振って快楽から逃れようとする。
けれど、しっかりと回された花王の腕から抜け出せるはずもなく、愛撫に悶える表情を視姦される。

瞳を閉じれば彼の視線に悶え、閉じればまた快楽に悶える。

何度も指で綻ばされ、彼女の中心は透明な蜜で溢れていた。
そして、花王の愛撫に翻弄されるがまま、グチュと大きな水音をたてながら何度目かの絶頂へと導かれた。

奥の柔らかな入り口まで指を挿入された指に、婉蓉は今までで一番甘い声で啼いた。


「そんなによかった?」


口元を緩めながら問われれば、何も考えられない婉蓉はただただ頷くだけ。
それに気を良くした花王は、向き合うように抱き上げた。

衣越しに伝わる花王の熱に戸惑いながらも、どこか自分と同じと思い嬉しくなる。


「何も怖がらないで…ただ、ぼくと一つになるだけだから」


紅く熟れた唇に口付けを落とせば、安心したように肢体の力を抜いて花王に寄りかかる。
そのまま力を抜いていて、と耳元で囁かれたとたん、婉蓉の秘部に熱い塊が進入してきた。


『いや、ああぁぁぁッッ!』


そのあまりの質量と熱さに悲鳴を上げた。
肢体を引き裂かれるようなその熱い塊の進入に、婉蓉は涙を溢す。

何度も絶頂へと導かれようとも、初めて雄を受け入れる彼女の身体は大きく震えた。


『痛いッ…いた、い…』


ポロポロと苦痛の涙を零しながらも、婉蓉は決して花王から逃れようとはしなかった。
ただ、息を吐いてという花王の言葉に従い、何度も大きく息を零した。

己の胸で吐く息が妙に甘ったるい。
そんな事を頭の片隅で思い浮かべながら、花王は彼女に口付けた。


少しだけ落ち着きを取り戻した婉蓉に、今度は唇に口付ける。
舌を絡め、吸い、甘さを帯びた口付けに彼女の身体の中心は大きくヒクツいた。


「…ッ!」


ビリ、と背筋に甘い疼きが這う。
それに耐える様に寄せられた眉間が、苦しそうな表情が艶やかで―。

それが婉蓉の吐息を一層甘やかに変えた。


零れる吐息でやっと秘部の締りが弱まったのか、苦しそうな花王の表情は消えた。
けれど、彼女の体の中心は更なる快楽を求め、貪欲に花王の雄を煽り続けている。








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