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「ごめん、優しくしようって思ってたんだけどッ、そうもいかないみたいだ…」


そう告げるや否や婉蓉の身体を揺さぶり始めた。
しっかりと彼女の腰を腕で掴み、隙間を埋める様に奥へ奥へと彼女を求める。


『あんッ、あ、あッ、あん、やぁッ!』


苦しさなのか、快楽なのかわからないほど婉蓉の身体は駆け巡るナニかに囚われる。
秘部から聞こえてくる水音は耳には届かず、目の前にある花王の吐息だけが婉蓉の耳を支配した。


「婉蓉ッ、あ、はぁ…うッ」


呼ばれる自身の名に、婉蓉の中心はまたピクリとヒクつき、蠢く様に花王に絡み付く。


――持っていかれそうだ…


ポツリ、と落とされたソレは、言葉にならなかった。
ただ、快楽の先にあるモノを求めて、ひたすら腰を振り続ける。

与えられる快楽に身を任せるように、婉蓉は甘い声をあげて啼いだ。


『花王…さ、ま…か、お…様、あッ!』


ただただ自分を呼び続ける婉蓉に深く口付けながら、花王は本能の赴くままに腰を振り続けた。

初めてなはずだから、優しく…。
そう自分に言い聞かせるけれど、身体は言うことを利かない。

甘い声を上げ続ける婉蓉に、もっともっとと自分の中の雄が告げる。
その雄に従うように、上下に、前後に、強弱緩急を付けて突き上げた。


『あんッ、アァ・・・ッん、あ、アァッ』


びくびくと秘部が自身を締め付け、内股が震えていることに花王は婉蓉の絶頂が近いことを頭の片隅で覚った。

激しく揺さぶっていた腰は、小さく細やかな腰の動きへと変わる。
見つけ出した弱い部分を刺激するように、ただ其処だけを―。

奥へ奥へと突き進みながら腰を前後に揺さぶれば、自身を激しく締め付けながら婉蓉はこれまでの絶頂よりも甘い悲鳴を上げて達した。


その締め付けに促されるように、花王は背筋をブルりと震わせながら自らの精を放った。
熱い、とうわ言に呟く婉蓉の言葉も届かず、グッと腰を押し付けた。

絶頂の余韻に浸ることもなく、ガクリと崩れ落ちた身体と共に、婉蓉の意識も落ちていった。











(外に出すはずだったんだけどな…)


後始末を終えた花王は、ポツリと胸中で呟いた。
自分の予定外の行動に溜め息をついた後、婉蓉の後始末をしようと秘部に指を入れる。
絶頂の余韻のせいか、斯き回す様な指の動きに婉蓉の甘い声があがる。


(…少しだけ、少しだけね)


そう自分に言い聞かせて花王は婉蓉の秘部へと唇を寄せた。
甘い声と水音が室内に響き渡る。

籐香宮の夜は、まだ終わらない―。



To be continue...




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