(アラアル)
アランさんは、どうしてあんなに一人で抱え込もうとするんだろうか。
いつだったか、ギンタに、俺にもそういうところがあると言われた気がしたが、アランさんのそれは俺のとはまた、比べものにならない程だ。
しかも、アランさんともなれば、誰かに相談せずとも全て自分で解決してしまうから質が悪い。
「アランさん、」
「…、アルヴィスか」
しばらくぶりに彼に会いに来た。
城にいるスノウを守るため彼は彼女に、ずっと付きっぱなしだ。
城に使えてるクロスガードの仲間から、最近アランさんの様子がおかしいと連絡を受けた。
彼らだけでは、アランさんの欲求は分からなかったらしく、部屋に篭りっきりになった彼の所に俺が呼ばれた訳だ。
「どう、なさったんですか…?」
「……、」
何も言わずベッドに突っ伏したままの彼に苦笑い。
ゆっくり、彼の方に近付いていけば、アランさんは少しだけ身動きを取り、俺はそれにまた苦笑いを漏らした。
「アランさん、」
「なんだ、」
ぎしり、
俺の重みを受けて、ベッドが小さく悲鳴を上げる。
身体の大きな彼が、どうしてか少しだけ小さく見えた。
「言って下さらないと、何もわかりませんよ。」
「……、」
ふわり、
いつもは結ってある彼の黒髪に触れる。
こんなときでもないと、触らせて貰えない。
なんだかちょっと、前より指通りが悪い。
触り心地が良くて、気に入っていたのに。
「アランさん、」
そう一言、声を掛けると世界がなぜだか反転した。
目の前には白い彼の部屋の天井と、泣き腫らした様な彼の顔。
覆いかぶさる彼の力が余りにも強くて驚いた。
「アルヴィス、お前、俺様をどれだけ放置したら気が済むんだ…?」
獣のような、野生じみた彼の鋭い眼光が俺を貫く。
やはりか。
俺は最近、フェイクアームの件で忙しく各地域を回っていて、アランさんに会うことも大分少なくなっていた。
と言うより、丸一ヶ月は彼とまともに話していない。
(話しを聞いた時はそうなんじゃないかと思ったけれど、まさか本当に)
「…欲求不満、だったんですね。」
「っるせぇ、」
スノウの警備で、戦う事も少なくなり、欲求を戦闘で紛らわす事もできなかったらしい彼は、その力を持て余すだけ持て余したのだ。
痛い程に、かぶりつくような接吻を貰って、なんだか俺は笑いが止まらなくなってしまった。
「笑ってんじゃねぇ」
「すいません、余りに貴方が、」
(可愛らしかったもので。)
くすくすと笑いを続けながら、俺は彼の唇を塞いだ。
数日後、アルヴィスによってアランの配属をもっと身体を動かせる場所にと言う要望が出たが、却下される現場が目撃された。
アルちゃんバンバンウワァァァァァア
ちょっぴり小悪魔な雰囲気の漂うアルちゃん素敵!やだもう…アルちゃん…アランさんもなんか素敵に見えてきました←
向日葵さんありがとうございます!
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